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PERT図(アローダイアグラム)とは?書き方やメリットと注意点を解説!
PERT図(アローダイアグラム)は、タスクの依存関係やスケジュールを可視化し、進行を最適化するためのツールです。PERT図を使いこなすことで、プロジェクト全体のスケジュール管理が可能です。この記事では、PERT図の構成要素や書き方、メリットを解説します。
目次
PERT図(アローダイアグラム)とは
PERT図はProgram Evaluation and Review Techniqueの略で、プロジェクト全体のタスクを視覚化し、効率的に管理するための有力な手法です。
PERT図をプロジェクト管理に利用すると、プロジェクト全体の希望時間に影響する重要なタスクの連鎖(クリティカルパス)を特定し、遅延を回避しやすくなります。また、複雑なタスクの依存関係も矢印で表すことで図示されるため、リソースの効率的な割り当てが可能です。
そのため、以下のようなプロジェクトで効果を発揮しやすくなります。
- 大規模で複雑なプロジェクト
- 新規性の高いプロジェクト
- 時間と資源の限界が厳しいプロジェクト
- リードタイムの短縮が求められるプロジェクト
PERT図(アローダイアグラム)の構成要素
PERT図はプロジェクトのタスクやイベントを矢印で示し、関係性や時間軸を視覚的に表現します。ここでは、タスク同士の依存関係を整理するための、基本的な構成要素を見ていきましょう。
最早結合点時刻
構成要素の一つ目は「最早結合点時刻」です。「最早結合点時刻」は、タスクの開始時期を特定する時刻であり、あるタスクに先行するすべてのタスクが最も早く完了する時刻のこと。プロジェクトの開始点から順次、タスクの所要時間を足し合わせることで算出します。
- 先行タスクの最早終了時刻+そのタスク自体にかかる時間
計算手順としては、作業Aの最早終了時刻が次の作業Bの最早開始時刻となり、これを繰り返すことで全体のスケジュールが決定されます。例えば、図のように作業Aの最早開始時刻が0日目で、作業Aが3日かかる場合、最早結合点時刻は3日目となります。
最遅結合点時刻
「最遅結合点時刻」は、タスクが遅延なく完了するために必要な最遅の開始時刻であり、プロジェクト全体の遅延を防ぐためのタスクの期限を特定する構成要素です。「最遅結合点時刻」はプロジェクトの終了時点から逆算し、後続のタスクが影響を受けない範囲での最も遅い時刻として計算されます。
- プロジェクト全体の最遅完了時刻-後続のタスクの所要時間
図では、作業Dの最遅結合点時刻が13日目であり、次に続く作業Eの最遅開始時刻16日目から作業Dの所要時間3日を差し引いていることがわかります。
余裕日数
余裕日数は、タスクが遅延してもプロジェクト全体に影響を与えない猶予期間を表す構成要素です。余裕日数を算出しておくことで、問題が起こった際にスケジュールを調整できるかどうか判断できます。
- 最遅結合点時刻-最早結合点時刻
上記式の結果が余裕日数です。たとえば、作業Cの最早結合点時刻が8日目で、最遅結合点時刻が10日目なら、余裕日数は2日となります。
余裕日数が大きい作業は多少の遅れが許容される一方、余裕日数が0日となる作業は、遅れるとプロジェクト全体に遅延が生じるため、特に注意が必要です。
クリティカルパス
クリティカルパスは作業期間が最長である経路のことであり、上記の図では、1→2→3→6→7→8→5→9が該当します。クリティカルパスにあるタスクが遅れると、プロジェクト全体の完了が遅れるため、特に注意して管理する必要があります。
PERT図(アローダイアグラム)の書き方
PERT図の作成に必要なステップは5つです。プロジェクトで発生する全てのタスクを洗い出し、それぞれの依存関係を明確にすることが基本。その上で、タスクごとの期間を見積もり、最早・最遅結合点時刻を反映した図を作成します。
以降で、具体的にどのように作成するのか、書き方の手順をみていきましょう。
プロジェクトにおけるタスクの洗い出し
プロジェクト全体のタスクをすべて洗い出しましょう。どのような作業が必要であるかを細かくリスト化し、各タスクの具体的な内容と目的を確認します。このとき、抜け漏れを防ぐポイントは小さな作業でも漏れなくリストに含めることです。ここでのタスクの精度が、PERT図全体の信頼性に直結します。
タスク間の依存関係の特定
タスクを洗い出したら、それぞれの依存関係を特定しましょう。どのタスクが他のタスクに依存しているかや、並行して進行できるのかを明らかにすることで、PERT図におけるタスクの順序や進行を正確に描写できます。
依存関係を誤ると、プロジェクトのスケジュール全体に影響を及ぼす可能性があるため、正確な分析が求められます。
PERTの記入
依存関係を明確にしたら、それに基づいてPERT図(アローダイアグラム)を作成しましょう。書き方は、タスク間の関係性を視覚化するために、各タスクを矢印で結ぶ図をおこします。タスクの開始点と終了点を結び、次のタスクへと続く形で線を引いていきます。
この段階では、全体の構造が一目でわかるようにシンプルに表現することが重要。ここで最早結合点時刻・最遅結合点時刻を記入する必要はありません。
プロジェクト・タスクの期間見積もり
各タスクの所要時間を見積もりましょう。所要時間を見積もるときは、作業に必要なリソースや外部要因を考慮して、現実的な数字を設定します。タスクの期間見積もりが甘いと、プロジェクト全体の進行が遅延する原因になるので、過去のデータや専門家の意見をもとに精密に設定するとよいでしょう。
最早結合点時刻・最遅結合点時刻の記入
最後に、「最早結合点時刻」「最遅結合点時刻」をPERT図に記入しましょう。最早結合点時刻は作業が最も早く完了する時間、最遅結合点時刻は遅れても問題ない限界時間を示します。最早結合点時刻や最遅結合点時刻の計算方法は、「PERT図(アローダイアグラム)の構成要素」に記載しているので参考にしてください。
PERT図(アローダイアグラム)のメリット
本項目ではPERT図のメリットを解説します。
プロジェクト管理におけるタイムラインを把握しやすい
PERT図のメリットは、プロジェクトのタイムラインがひと目で把握できる点です。各タスクの開始時点や完了予定時点が明確になるため、遅延のリスクを早期に発見し対策を講じやすくなります。特に複雑なプロジェクトでは、依存関係が多くなるため、この視覚化がプロジェクトの成功に直結します。
改善案が作成しやすい
PERT図を使用するメリットは、プロジェクト進行のボトルネックや改善が必要な箇所を素早く特定できることです。
例えば、余裕が少ないタスクや進行に影響を与えやすいクリティカルパスが特定されれば、対応策を講じられます。このため、問題が発生した際にも迅速に対処し、プロジェクトのリカバリーが可能です。
クリティカルパスを特定しやすい
PERT図をおこすことでクリティカルパスを明らかにできるため、プロジェクト管理者が優先的に監視すべき箇所がわかります。クリティカルパスを特定することで、遅延やリスクを最小限に抑えられます。
リソースの洗い出しが容易
PERT図を利用することで、各タスクに必要なリソースの見積もりにも役立つこともメリットの一つです。各タスクの所要時間と依存関係が明確になるため、リソースの再分配や不足リソースの特定をしやすくなります。これにより、リソースの無駄遣いや過不足を防ぎ、効率的なプロジェクト運営ができます。
PERT図とガントチャートのメリットの違い
PERT図とガントチャートについて異なる点を比較し、それぞれのメリットについて解説します。
PERT図はプロジェクト始動前に使用可能
PERT図はプロジェクト開始前の段階でも使用できる点が大きなメリットです。プロジェクトの全貌を把握し、計画段階でスケジュールの調整やタスクを整理するのに適しています。
ガントチャートはプロジェクトが進行した後に、進捗管理に使用されることが多く、両者を使い分けることで効果的なプロジェクト管理が可能です。
カスタマイズしやすいPERT図と整理しやすいガントチャート
PERT図はフレキシブルなカスタマイズが可能です。タスク間の依存関係を柔軟に調整でき、プロジェクトの状況に応じて更新しやすいという特徴があります。
一方で、ガントチャートは時間軸が明確に表示されるため、進捗の確認が簡単で、整理された情報を視覚的に把握しやすいツールです。
フローチャートのPERT図と棒グラフのガントチャート
PERT図は作業の進行をフローチャート形式で視覚化し、作業の関係性を強調します。一方、ガントチャートは棒グラフ形式でタスクの進捗を表示できるので、時間軸に沿った情報を整理できます。
PERT図(アローダイアグラム)の注意点
PERT図を効果的に使用するためには、特定の注意点に留意する必要があります。特に、図の形式や工数見積もりの正確さ、ツールの活用に関する知識が重要です。ここでは、代表的な3つの注意点について説明します。
アロー型とフロー型
PERT図の形式にはアロー型とフロー型の2つがあります。アロー型は、タスクの開始と終了を矢印で示し、タスク間の依存関係を直感的に表現する書き方です。一方、フロー型は、各タスクをボックスで囲み、その中に所要時間や依存関係を記載する方法です。
どちらの形式を使用するかは、プロジェクトの性質や管理者の好みによりますが、適切な形式を選択することがプロジェクトの進行に大きく影響します。
工数見積もりが重要
PERT図の効果を最大限に引き出すためには、工数を正確に見積もることが非常に重要です。各タスクにかかる時間を正確に見積もらなければ、プロジェクト全体の進行が不安定になり、予定通りに進めることが難しくなります。
過去のプロジェクトデータや専門的な知識を活用し、現実的な期間を設定することが不可欠です。見積もりが正しくできていない場合、スケジュールの遅延やリソース不足を引き起こすリスクが高まります。
手書きは難しい
3つ目の注意点は手書きでの作成を避けることです。手書きでPERT図を作成することも可能ですが、現代の複雑なプロジェクトでは手書きの運用が難しい場合が多いもの。
タスク数が多くなると手書きでは修正や更新が煩雑になり、ミスが生じやすくなります。そのため、専用のツールやソフトウェアを使用して、リアルタイムで図を更新・管理することが推奨されます。デジタルツールを活用すれば、より正確で柔軟なプロジェクト管理が実現します。
PERT図(アローダイアグラム)まとめ
PERT図は、プロジェクトの進行状況を図で明らかにし、タスク間の依存関係を整理するために有用なツールです。しかし、正確な工数見積もりや形式の選択、専用ツールの使用など、いくつかの注意点を押さえて利用しましょう。
PERT図を作成するときのポイントは、細かい作業を含めてすべての作業を洗い出すことです。有識者に意見を求めたり、類似している過去のプロジェクトを参考にしたりしながら、精度の高いPERT図を作成・管理しましょう。
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