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化学メーカーDXの進め方|研究開発から製造・サプライチェーンまでの事例と課題

化学メーカーDXとは何か、その意味と目的を徹底解説。なぜ今、化学業界でDXが急務なのか?研究開発の効率化、技術継承、カーボンニュートラルといった背景から、MI・PI・デジタルツインなどの主要技術、事例、導入ステップまで網羅します。

目次

  1. 化学メーカーDXとは?
  2. なぜ今、化学メーカーでDXが急務なのか?
  3. 化学メーカーDXを加速させる主要テクノロジー
  4. 【業務領域別】化学メーカーDXで何が変わるのか?
  5. サプライチェーン
  6. 化学メーカーDXがもたらすメリット
  7. 化学メーカーDX推進における特有の課題と障壁
  8. 化学メーカーDXを成功に導く導入ステップ
  9. 【分野別】化学メーカーのDX成功事例
  10. まとめ

私たちの暮らしを支える様々な素材を生み出す化学産業。その根幹を支える化学メーカーもまた、グローバルな競争激化やサステナビナビリティへの要請といった大きな環境変化に直面し、デジタルトランスフォーメーション(DX)による変革が急務となっています。

「化学メーカーのDXって、具体的に何をするのだろうか」「マテリアルズインフォマティクス(MI)という言葉を聞くけど、どう役立つのだろうか」「自社でもDXを進めたいが、何から始めれば良いのか」。多くの化学メーカー関係者が、このような関心や疑問を抱いているのではないでしょうか。

この記事では、化学メーカーDXの基本的な意味から、なぜ今それが不可欠なのか、それを支える主要な技術、そして具体的なメリットや導入ステップ、さらには先進的な企業の事例まで、分かりやすく解説していきます。

化学メーカーDXとは?

化学メーカーDXとは、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、そして特に重要なマテリアルズインフォマティクス(MI)といったデジタル技術を全面的に活用して、基礎研究、製品開発、製造プロセス、品質管理、サプライチェーンマネジメント、営業・マーケティングに至るまで、化学メーカーの事業プロセス全体を根本から変革することを指します。

その核心は、これまで各部門や研究者の経験・勘に頼ることが多かった領域に、データに基づいた科学的なアプローチを導入することにあります。これにより、新素材や新製品の開発スピードを飛躍的に向上させるとともに、製造プロセスの効率化と安定化を実現し、さらには顧客に対して新たな付加価値を提供する経営変革を目指します。

化学メーカーにおけるDXの核心

化学メーカーにおけるDXの核心であり、他の製造業と比較した場合の大きな特徴は、特に「研究開発(R&D)プロセス」の変革に大きな重点が置かれている点にあります。

化学産業における競争力の源泉は、革新的な新素材や高機能な製品を他社に先駆けて開発し、市場に投入することにあります。しかし、従来の研究開発プロセスは、研究者の経験や直感に基づいた試行錯誤の繰り返し(実験)が中心であり、一つの新素材を開発するために10年以上の長い期間と、莫大な研究開発費を要することも珍しくありませんでした。

化学メーカーDXは、マテリアルズインフォマティクス(MI)と呼ばれるデータサイエンスの手法を活用することで、この長期間と高コストを要する研究開発プロセスを劇的に効率化し、開発期間を大幅に短縮することを可能にします。これが、化学メーカーDXにおける最も重要な核心の一つです。

もちろん、製造プロセスの最適化によるコスト削減や安定操業の実現、サプライチェーン全体の効率化といった、他の製造業DXと共通する目標も同様に重要ですが、特に研究開発におけるデータ活用の巧拙が、将来の競争力を大きく左右すると考えられています。

「スマートファクトリー」との関係性

化学メーカーDXを語る上で、「スマートファクトリー」という概念との関係性を整理しておくことも重要です。スマートファクトリーは、IoTやAIといったデジタル技術を活用して、工場内の設備やシステムが相互に連携し、自律的に生産プロセス全体を最適化していく「理想の工場」の姿を指します。これは主に「製造」現場の変革に焦点を当てた概念です。

化学メーカーDXは、このスマートファクトリー化の取り組みを包含しつつ、さらにその範囲を広げた概念です。スマートファクトリーが主に製造現場(生産、品質管理、設備保全など)の最適化を目指すのに対し、化学メーカーDXは、それに加えて、研究開発部門でのMI活用、サプライチェーン全体の最適化(原材料調達から物流、販売まで)、さらには営業・マーケティング活動におけるデータ活用といった、より広範なバリューチェーン全体の変革を目指します。スマートファクトリーは、化学メーカーDXを実現するための重要な構成要素の一つ、と位置づけることができます。

従来の「IT化」との違い

化学メーカーにおいても、以前から生産計画を管理するためのERP(統合基幹業務システム)の導入や、研究開発部門でのシミュレーションソフトの利用、あるいは営業部門でのSFA(営業支援システム)の活用といった「IT化」は進められてきました。しかし、これらの従来のIT化と化学メーカーDXの間には、その目指すレベルとデータの連携範囲において根本的な違いがあります。

従来のIT化は、主に生産管理、研究管理、販売管理といった個別の業務領域において、特定の作業をデジタルツールに置き換えることで効率化を図ることに主眼が置かれていました。これは、それぞれの部門内での生産性を高める「部分最適」のアプローチと言えます。しかし、例えば研究開発部門で得られた実験データが、製造部門のプロセス改善に十分に活用されていなかったり、製造部門の品質データが、営業部門の顧客提案にリアルタイムで反映されていなかったりするなど、部門間でデータが分断され、全社的な視点での活用が限定的でした。

一方、化学メーカーDXは、これらの個別システムの導入を前提としつつ、さらにその先を目指します。研究開発データ、製造プロセスデータ、品質データ、在庫データ、販売データ、さらには外部の市場データや論文データといった、社内外の様々なデータを可能な限り連携させ、一元的に分析・活用します。そして、その分析結果に基づいて、新素材開発の方向性を定めたり、製造プロセスの運転条件をリアルタイムで最適化したり、あるいはサプライチェーン全体の需給バランスを調整したりと、部門横断でのデータ活用による「全体最適」を目指す点が根本的に異なります。

なぜ今、化学メーカーでDXが急務なのか?

高品質な素材を提供することで幅広い産業を支えてきた日本の化学メーカーですが、近年、グローバルな競争環境の変化や、社会からの要請の高まりを受け、従来のビジネスモデルや研究開発・生産プロセスからの変革、すなわちDXが不可欠となっています。

研究開発(R&D)のスピードアップと効率化の必要性

化学産業における競争力の源泉は、革新的な機能を持つ新素材や新製品を、他社に先駆けて開発し、市場に投入することにあります。しかし、新素材・新製品の開発競争は世界的に激化しており、特に中国などの新興国メーカーも急速に技術力を高めています。

このような状況下で、従来の実験と試行錯誤に大きく依存する研究開発プロセスでは、市場投入までに時間がかかりすぎ、競争に打ち勝つことが難しくなっています。より短期間で、より効率的に、有望な新素材や新製品を生み出すための、研究開発プロセスそのものの抜本的な変革が求められています。マテリアルズインフォマティクス(MI)などを活用したDXは、この課題に対する最も有力な解決策と期待されています。

熟練技術者の不足と技術継承の課題

化学プラントの安定操業や、高度な研究開発においては、長年の経験と深い知識を持つベテランの研究者やプラント運転員の存在が不可欠でした。しかし、他の多くの産業と同様に、化学業界においてもこれらの熟練技術者の高齢化と、それに伴う退職が進んでおり、若手への技術やノウハウの継承が喫緊の経営課題となっています。

特に、プラントの運転管理などにおける経験や勘といった「暗黙知」は、マニュアル化が難しく、従来のOJT(On-the-Job Training)だけでは継承に限界があります。DXによって、熟練者の操作データや判断プロセスをセンサーやAIでデータとして「見える化」し、分析することで、暗黙知を形式知へと変換し、シミュレーターなどを活用した効率的なトレーニングプログラムを開発するなど、デジタル技術を活用した新しい形での技術継承を進めることが急務となっています。

製造プロセスの複雑化と安定操業への要求

化学プラントにおける製造プロセスは、多くの場合、高温・高圧といった厳しい条件下での精密な化学反応を伴い、非常に複雑で、わずかな運転条件の変動が製品の品質や収率、そして安全性に大きな影響を与えます。

近年では、顧客ニーズの多様化に応えるための多品種少量生産へのシフトや、環境規制の強化などにより、製造プロセスはさらに複雑化する傾向にあります。このような状況下で、常に最適な運転条件を維持し、安定した品質の製品を安全に生産し続けるためには、人間の経験だけに頼るのではなく、プラント内の様々なセンサーから得られるデータをリアルタイムで分析し、データに基づいた精密な運転管理を行うことが不可欠となっています。

プロセスインフォマティクス(PI)などを活用したDXは、この高度な運転管理を実現するための鍵となります。

カーボンニュートラルとサステナビリティへの対応

地球温暖化対策としてのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)の実現は、エネルギー多消費産業である化学業界にとっても、避けては通れない最重要課題の一つです。製造プロセスにおけるCO2排出量の削減(例えば、省エネルギー化や、再生可能エネルギー由来の電力への転換、あるいはCO2を回収・利用・貯留するCCUS技術の開発など)が強く求められています。

また、環境負荷の少ないバイオマス由来原料への転換や、リサイクルしやすい素材の開発、製品ライフサイクル全体での環境影響評価(LCA)といった、サステナビリティへの貢献も、社会や投資家からの重要な要請となっています。

DXは、これらの課題に対応する上でも重要な役割を果たします。例えば、エネルギー消費量をリアルタイムで監視・分析し、最適な運転条件を見つけることや、MIを活用して環境負荷の少ない新素材の開発を加速させることなどが可能です。サステナビリティへの貢献は、もはやCSR(企業の社会的責任)活動ではなく、企業の競争力を左右する経営戦略そのものとなりつつあり、DXはその実現を支える技術基盤となります。

化学メーカーDXを加速させる主要テクノロジー

化学メーカーのDXは、単一の技術によって実現されるものではありません。特に、材料科学と情報科学を融合させた「マテリアルズインフォマティクス(MI)」をはじめとする、業界特有のデータ活用技術がその鍵を握ります。

マテリアルズインフォマティクス(MI)

MIは、AI(人工知能)やデータサイエンスの手法を用いて、物質・材料に関する膨大なデータ(例えば、過去の実験データ、学術論文、特許情報、シミュレーション結果など)を解析し、そこから有用な知見を引き出すことで、新素材や新製品の探索・開発を高速化・効率化する技術・学術分野です。化学メーカーにおける研究開発(R&D)DXの中核を担います。

MIを活用することで、以下を実現できます。

・新素材の探索:目標とする物性(例えば、特定の強度や耐熱性)を持つ可能性のある、未知の化合物構造や配合レシピを、AIが膨大なデータベースから予測・提案します。

・物性予測:実際に合成・評価実験を行う前に、候補となる材料の物性をシミュレーションやAIモデルで高精度に予測します。

・実験計画の最適化:より少ない実験回数で、より多くの情報を得られるような、効率的な実験計画をAIが提案します(実験計画法、ベイズ最適化など)。

これにより、従来の研究開発プロセスにおける試行錯誤の回数を大幅に削減し、開発期間の短縮とコスト削減、そして成功確率の向上が期待されます。

プロセスインフォマティクス(PI)

PIは、MIと同様にデータサイエンスの手法を用いますが、その対象を化学プラントなどにおける「製造プロセス」に置いた技術・考え方です。プラント内の様々なセンサーから収集されるプロセスデータ(温度、圧力、流量、濃度、時間など)をAIなどで分析し、生産効率の向上、品質の安定化、安全操業の実現を目指します。

PIを活用することで、以下を実現できます。

・最適な運転条件の発見:製品の収率や品質を最大化するための、最適な運転パラメータ(温度、圧力など)の組み合わせをデータ分析から見つけ出します。

・異常検知・予兆保全:センサーデータの微細な変化から、設備の異常や故障の兆候を早期に検知し、突発的なプラント停止を未然に防ぎます。

・品質予測:プロセスデータから、最終製品の品質(例えば、純度や物性値)をリアルタイムで予測し、品質不良の発生を抑制します。

PIは、化学メーカーにおける「製造DX」を実現するための重要な技術となります。

IoTセンサーとデータ収集基盤

MIやPIを効果的に活用するためには、その分析の元となる質の高いデータを、リアルタイムかつ網羅的に収集するための仕組みが不可欠です。ここで重要な役割を果たすのが、IoTセンサーとデータ収集基盤です。

・IoTセンサー:化学プラント内の反応器、配管、ポンプ、熱交換器といった様々な設備に、温度センサー、圧力センサー、流量センサー、振動センサー、画像センサーなどを設置し、設備の稼働状況やプロセス中の物質の状態に関するデータをリアルタイムで計測・収集します。研究開発においては、実験装置にセンサーを取り付け、実験条件や結果を自動で記録します。

・データ収集基盤:これらの多数のセンサーから送られてくる膨大なデータを、効率的に収集し、欠損値の補完やノイズ除去といった前処理を行い、分析可能な形で一元的に蓄積するためのシステム基盤(例えば、データレイクや時系列データベースなど)が必要です。クラウドサービスを活用することも一般的です。

これらの技術によって、これまでブラックボックス化していたプロセスや、記録されていなかった現象をデータとして捉えることが可能になります。

デジタルツイン

デジタルツインは、現実世界に存在する化学プラントや研究設備などを、IoTセンサーなどから収集したリアルタイムデータに基づいて、そっくりそのままデジタルの仮想空間上に再現する技術です。いわば、現実世界の「デジタルの双子」をコンピュータ上に構築するものです。

この仮想空間上のデジタルツインを活用することで、以下を実現できます。

・最適な運転条件のシミュレーション:現実のプラントで試すことが難しい、様々な運転条件の変更が、生産量や品質、安全性にどのような影響を与えるかを、仮想空間上で安全かつ低コストでシミュレーションし、最適な条件を見つけ出すことができます。

・オペレーターの訓練:現実のプラントで起こりうる異常事態や緊急時の対応を、仮想空間上でリアルに模擬体験することで、オペレーターのスキル向上と安全意識の向上を図ることができます。

・遠隔監視と予知保全:仮想空間上のプラントの状態を監視することで、現実のプラントの状況を直感的に把握したり、将来の劣化や故障を予測したりすることに役立てます。

ロボティクス・自動化技術

化学メーカーにおいても、危険な作業の代替や、研究開発・生産プロセスの効率化のために、ロボット技術や自動化技術の活用が進んでいます。

・実験プロセスの自動化:研究開発におけるサンプルの調合、分析装置への投入、データ測定といった一連の実験プロセスを、ロボットアームなどを活用して自動化します。これにより、24時間体制での実験が可能になり、開発スピードを向上させるとともに、研究者の負担を軽減します。

・危険・過酷環境下での作業代替:高温・高圧環境下でのサンプル採取や、有害物質を取り扱う作業、あるいは重量物の運搬などを、ロボットに代替させることで、作業員の安全性を確保します。

・倉庫内作業の自動化:原材料や製品が保管されている倉庫内での、荷物の搬送やピッキング、仕分けといった作業を、AGV(無人搬送車)やロボットアームで自動化します。

【業務領域別】化学メーカーDXで何が変わるのか?

化学メーカーDXは、研究開発から製造、そして顧客への販売に至るまで、バリューチェーン全体のあらゆる業務領域に革新をもたらす可能性を秘めています。

研究開発

研究開発(R&D)は、化学メーカーDXにおいて最も大きな変革が期待される領域です。

・MIによる開発スピードの向上:マテリアルズインフォマティクス(MI)を活用することで、新素材の候補探索や、その物性予測にかかる時間を大幅に短縮できます。AIが有望な候補を絞り込むことで、研究者はより有望な実験に集中できるようになり、開発の成功確率も向上します。

・実験計画の最適化:AIが統計的な手法(実験計画法、ベイズ最適化など)を用いて、より少ない実験回数で、より多くの情報を得られるような効率的な実験計画を提案します。これにより、研究開発コストの削減に繋がります。

・実験プロセスの自動化:ロボット技術を活用して、サンプルの調合、分析、データ記録といった実験プロセスの一部または全体を自動化します。これにより、研究者は単純作業から解放され、より創造的な考察や次の実験計画に時間を費やすことができます。24時間体制での実験も可能になり、研究効率が飛躍的に向上します。

・研究データの共有・活用:過去の膨大な実験データや論文情報を、全社的にアクセス可能なデータベースとして整備し、AIで検索・分析できるようにします。これにより、過去の知見を有効活用し、車輪の再発明を防ぐとともに、新たな発見を促進します。

製造・プロセス

化学プラントの運転管理や保守といった製造プロセスも、DXによって大きく変わります。

・PIによる運転の最適化と安定化:プロセスインフォマティクス(PI)を活用し、プラント内のセンサーデータをリアルタイムで分析することで、製品の収率や品質を最大化し、かつエネルギー消費量を最小化する、最適な運転条件を維持します。また、異常の兆候を早期に検知し、安定操業を支援します。

・AIによる設備の故障予知(予兆保全):設備の振動や温度といった稼働データをAIが常時監視・分析し、故障が発生する前にその兆候を検知します。これにより、計画外の設備停止(ダウンタイム)を未然に防ぎ、計画的なメンテナンスを実施することで、生産効率の向上とメンテナンスコストの削減を両立させます。

・ロボットによる危険・過酷作業の代替:高温・高圧環境下での点検作業や、有害物質の取り扱い、重量物の運搬といった危険または身体的負担の大きい作業を、ロボットに代替させることで、作業員の安全性を確保し、労働環境を改善します。

・デジタルツインによるシミュレーションと訓練:仮想空間上に再現されたプラント(デジタルツイン)を用いて、新しい運転方法の効果を事前にシミュレーションしたり、オペレーターが緊急時の対応訓練を行ったりします。

品質管理

製品の品質を保証するための品質管理プロセスも、DXによって高度化・効率化されます。

・画像認識AIによる外観検査の自動化:これまで人間の目視に頼っていた、製品の表面の傷や異物混入、色ムラといった外観検査を、AIを用いた画像認識技術で自動化します。これにより、検査のスピードと精度を向上させ、検査員の負担を軽減します。

・センサーデータに基づくリアルタイム品質監視:製造プロセス中の温度、圧力、成分濃度といったセンサーデータをリアルタイムで監視し、それらのデータから最終製品の品質を予測・評価します。これにより、異常が発生した場合に早期に検知し、不良品の発生を最小限に抑えます。

・品質データの統合分析:原材料の品質データ、製造プロセスデータ、最終製品の検査データなどを一元的に管理し、品質に影響を与える要因を統計的に分析します。これにより、品質改善に向けた具体的な対策を立案するための客観的な根拠を得ることができます。

サプライチェーン

サプライチェーン

原材料の調達から、製品の生産、在庫管理、物流、そして顧客への販売に至るまでのサプライチェーン全体も、DXによる最適化の対象となります。

・AIによる需要予測の精度向上:過去の販売実績データだけでなく、市場のトレンド、顧客の生産計画、気象情報といった多様なデータをAIが分析し、将来の製品需要を高精度で予測します。

・在庫の最適化:高精度な需要予測に基づいて、原材料や製品の最適な在庫レベルを算出し、過剰在庫による保管コストや廃棄ロス、あるいは欠品による機会損失を最小限に抑えます。

・トレーサビリティシステムの導入:原材料のロット情報から、製造工程の記録、そして最終製品の出荷先まで、製品がどのように作られ、どこに届けられたかを追跡できるトレーサビリティシステムを導入します。これにより、品質問題が発生した場合の原因究明や、リコール対応を迅速に行えるようになります。また、顧客に対して製品の由来に関する情報を提供することで、信頼性を高めることもできます。

・物流の最適化:輸送トラックの積載率や配送ルートを、AIなどを活用して最適化し、物流コストの削減とCO2排出量の削減を図ります。

営業・マーケティング

化学メーカーの営業・マーケティング活動も、DXによってデータに基づいた、より効率的で効果的なものへと変革します。

・顧客データの活用によるニーズ把握:CRM(顧客管理システム)などに蓄積された顧客からの問い合わせ履歴、購買履歴、技術相談の内容といったデータを分析することで、顧客が抱える真の課題や、潜在的なニーズをより深く理解することができます。

・オンラインプラットフォームを通じた新たな顧客接点:従来の対面営業だけでなく、自社のウェブサイトや専門的なオンラインプラットフォームを通じて、製品情報や技術情報を分かりやすく提供したり、オンラインでの技術相談を受け付けたりすることで、新たな顧客接点を創出し、リード(見込み客)を獲得します。

・パーソナライズされた提案:顧客データに基づいて、個々の顧客の用途や課題に合わせた最適な製品やソリューションを提案します。

・マーケティングオートメーション(MA)の活用:ウェブサイトからの問い合わせ客などに対して、その関心度合いに応じてメールなどを自動で送信し、見込み客を育成するプロセスを効率化します。

化学メーカーDXがもたらすメリット

化学メーカーがDXを計画的に推進することは、単に業務が効率化されるだけでなく、コスト削減、生産性向上、研究開発力の強化、そして環境貢献といった、多岐にわたる重要なメリットを企業にもたらします。

研究開発スピードの向上と成功確率の向上

MI(マテリアルズインフォマティクス)の活用により、新素材の候補探索や物性予測にかかる時間を劇的に短縮できます。AIが有望な材料候補を効率的に絞り込むことで、研究者は試行錯誤の回数を大幅に減らし、より有望な実験にリソースを集中させることができます。これにより、研究開発期間全体の短縮と、開発コストの削減、そして最終的な成功確率の向上が期待できます。

生産効率の向上と安定操業の実現

PI(プロセスインフォマティクス)やIoTセンサー、AIを活用することで、化学プラントの運転をデータに基づいて最適化し、製品の収率向上や、エネルギー消費量の削減を実現できます。また、AIによる設備の故障予知(予兆保全)は、計画外の突発的な設備停止のリスクを低減し、プラントの安定操業に大きく貢献します。これらの効果は、企業の収益性を直接的に改善します。

品質の安定化とトレーサビリティ確保

AIを用いた外観検査の自動化や、センサーデータに基づくリアルタイムでの品質監視により、製品品質のばらつきを抑え、高いレベルで安定化させることが可能になります。また、原材料から最終製品までの生産履歴をデジタルデータで一元管理するトレーサビリティシステムは、品質問題発生時の迅速な原因究明と対応を可能にし、顧客からの信頼を高める上で不可欠です。

技術継承と人材育成の促進

熟練した研究者やプラント運転員の持つ経験や勘といった暗黙知を、センサーデータやAIモデルといったデジタルな形で形式知化することで、その貴重なノウハウを組織の資産として蓄積し、若手従業員へ効率的に継承していくことが可能になります。デジタルツインなどを活用した実践的なトレーニングプログラムも、人材育成を加速させます。

環境負荷の低減とサステナビリティへの貢献

データに基づいたプラントの省エネルギー運転の実現や、MIを活用した環境負荷の少ない新素材(例えば、バイオマスプラスチックやリサイクルしやすい材料など)の開発を通じて、カーボンニュートラルやSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献することができます。サステナビリティへの貢献は、企業の社会的評価を高め、投資家や顧客からの支持を得る上でもますます重要になっています。

化学メーカーDX推進における特有の課題と障壁

大きな可能性を秘める化学メーカーDXですが、その推進には、他の製造業とは異なる、化学業界特有の構造的な課題や乗り越えるべきハードルが存在します。

データ収集・統合の難しさ(データのサイロ化)

化学メーカーのバリューチェーンは、基礎研究、応用研究、プロセス開発、製造、品質管理、販売といった多くの部門に分かれており、それぞれの部門で扱うデータの種類やフォーマット、利用しているシステムが異なっているケースが少なくありません。

例えば、研究開発部門の実験データが実験ノート(紙やExcel)で管理されていたり、製造部門のプロセスデータが専用の制御システム(DCSなど)に閉じられていたり、品質管理部門の検査データが独自のデータベースに格納されていたりします。これらの部門ごとにサイロ化(分断)されたデータを、全社的に統合し、相互に連携させて活用することが、技術的にも組織的にも非常に困難な場合があります。このデータ統合の壁が、部門横断での全体最適化を阻む大きな要因となっています。

高度な専門知識を持つ人材の不足

化学メーカーDXを効果的に推進するためには、化学、物理学、材料科学といった従来のドメイン知識に加えて、データサイエンス、AI(機械学習)、統計学、ITインフラといったデジタル技術に関する知識の両方を深く理解し、両者の橋渡しができる分野横断的な専門人材が不可欠です。

特に、マテリアルズインフォマティクス(MI)やプロセスインフォマティクス(PI)といった領域では、化学の専門知識とデータ分析能力の両方を高いレベルで併せ持つ人材が求められますが、そのような人材は社会全体で圧倒的に不足しており、採用も育成も非常に困難な状況にあります。この高度専門人材の不足が、DX推進のスピードを制限する大きなボトルネックとなっています。

厳格な安全・環境規制への対応

化学プラントは、取り扱う物質によっては爆発や火災、有害物質の漏洩といった重大な事故に繋がるリスクを常に内包しています。そのため、プラントの操業や新しい技術の導入には、労働安全衛生法や高圧ガス保安法、消防法といった、極めて厳格な安全・環境規制が課せられています。

新しいセンサーや制御システム、あるいはAIによる自動運転などを導入する際には、これらの規制を遵守し、安全性が十分に確保されていることを、時間をかけて検証し、場合によっては規制当局からの承認を得る必要があります。この安全性確保と規制対応のプロセスが、新しいデジタル技術の導入を慎重にさせ、時間を要する要因となる場合があります。

変化に対する保守的な組織文化

化学産業、特に大規模なプラントを長年安定して操業してきた企業においては、安全性を最優先し、確立された手順や経験則を重んじる保守的な組織文化が根付いている場合があります。

これは安定操業を支える上で重要な側面ですが、一方で、データに基づいた新しいアプローチや、従来のやり方を変えるデジタル技術の導入に対して、現場のベテラン層などから心理的な抵抗が生まれることも少なくありません。「これまでこのやり方で問題なかった」「新しいシステムは信頼できない」といった意識が、変革の妨げとなることがあります。DXを成功させるためには、技術導入と並行して、変化を前向きに捉え、新しい挑戦を奨励する組織文化への変革も必要となります。

化学メーカーDXを成功に導く導入ステップ

化学メーカーDXは、一度に全てを変えようとするのではなく、長期的な視点を持ち、自社の状況に合わせて、現場を巻き込みながら段階的に進めていくことが成功の鍵となります。

1. 経営層によるDXビジョンと重点領域の特定

全てのDX活動と同様に、化学メーカーにおいても、まず経営層が主体となり、「DXによって自社はどのような価値を創造し、将来どのような化学メーカーになりたいのか」という明確なビジョンを描き、それを全社に共有することが最初のプロセスです。

そして、そのビジョンを実現するために、研究開発、製造、サプライチェーン、営業・マーケティングといったバリューチェーンの中で、どの領域から重点的にDXに取り組むのか、戦略的な優先順位を決定します。全ての領域を同時に変革するのは困難なため、自社の経営課題や競争環境を踏まえ、最も効果が見込める領域を特定することが重要です。

2. 解決すべき課題の特定と目標設定

特定した重点領域において、現状の業務プロセスを詳細に分析し、DXによって解決すべき具体的な課題を特定します。例えば、研究開発領域であれば「新素材の探索に時間がかかりすぎる」、製造領域であれば「特定のプラントでエネルギー効率が悪い」といった課題です。

そして、その課題に対して、「いつまでに、何を、どのレベルまで達成するか」という具体的で測定可能な目標(KPI)を設定します。例えば、「新素材開発のリードタイムを2年以内に半減させる」「対象プラントのエネルギー効率を1年後に10%改善する」といった目標です。

3. スモールスタートでの実証実験(PoC)

最初から全社的な大規模システムを導入したり、全ての研究テーマにMIを適用したりするのはリスクが高いため、まずは特定の研究テーマや、特定の製造ライン、あるいは特定の製品群に限定して、新しいデジタル技術(MIツール、IoTセンサー、AIモデルなど)を比較的小規模な範囲で試行する「スモールスタート」のアプローチが有効です。

PoC(Proof of Concept:概念実証)と呼ばれるこの段階で、導入しようとしている技術が実際に現場で使えるのか、期待した効果(例:予測精度の向上、作業時間の短縮)が得られるのか、そしてどのような課題があるのかを具体的に検証します。

4. データ基盤の整備と人材育成

スモールスタートでの実証実験と並行して、将来的に全社のデータを統合し、部門横断で分析・活用するためのデータ基盤(データプラットフォーム)を整備することも、中長期的な視点で非常に重要です。研究開発データ、製造データ、品質データなどを、標準化された形式で一元的に蓄積・管理できる仕組みを構築します。

同時に、これらのデータを使いこなし、ビジネス価値に繋げることができる人材の育成(リスキリング)も計画的に進める必要があります。データサイエンティストのような高度専門人材の育成・確保と並行して、現場の研究者やエンジニア、オペレーターが基本的なデータ分析スキルを身につけるための教育プログラムを実施します。

5. 本格展開と継続的な改善

実証実験(PoC)で有効性が確認され、改善された技術や仕組み、そしてそこで得られたノウハウを基に、取り組みの対象範囲を他の研究テーマや製造ライン、工場へと段階的に広げ、本格的に展開していきます。

ただし、導入して終わりではありません。導入後も、設定したKPIに基づいてその効果を継続的に測定し、評価します。市場環境や技術は常に変化するため、定期的にプロセスやAIモデルを見直し、改善していくというPDCAサイクルを回し続けることが、DXの成果を持続させ、最大化するために不可欠です。

【分野別】化学メーカーのDX成功事例

課題はあるものの、国内外の多くの化学メーカーが、DXを積極的に推進し、研究開発の加速や生産性の向上といった具体的な成果を上げ始めています。

【研究開発DXの事例】三井化学株式会社

三井化学は、デジタルトランスフォーメーションを経営戦略の中核に据え、特に研究開発領域においてマテリアルズインフォマティクス(MI)の活用に先進的に取り組んでいます。社内に専門組織を設置し、AIを活用した新素材の探索(例えば、目標とする物性を持つポリマーの構造予測など)や、実験計画の最適化、実験プロセスの自動化(ロボット活用)などを推進。

これにより、従来は数年単位を要していた開発テーマにおいて、開発期間を数分の一に短縮するなど、研究開発のスピードと効率を大幅に向上させています。

【製造DXの事例】旭化成株式会社

旭化成は、化学プラントの安定操業と技術継承という課題に対し、DXを活用して取り組んでいます。プラントの運転状況に関する膨大なセンサーデータをAIで解析し、熟練運転員が持つ暗黙知(運転ノウハウや異常察知の勘など)をデジタルデータとして形式知化することに成功しました。この知見を基に、AIが若手オペレーターに対して最適な運転操作をアドバイスしたり、異常の兆候を早期に警告したりする運転支援システムを開発・導入。

これにより、プラントの安定操業レベルを維持・向上させるとともに、若手オペレーターのスキルアップを効果的に支援しています。

【サプライチェーンDXの事例】BASF(ドイツ)

世界最大の総合化学メーカーであるドイツのBASFは、グローバルに展開する多数の生産拠点と複雑な物流網を効率的に管理するため、サプライチェーン全体のDXを推進しています。各拠点における生産計画、在庫状況、輸送状況といったデータをリアルタイムで収集・統合し、一元的に可視化・分析できるプラットフォームを構築。

これにより、市場の需要変動に対してサプライチェーン全体で迅速かつ柔軟に対応し、在庫の最適化や輸送コストの削減を実現しています。AIを活用した需要予測の精度向上にも継続的に取り組んでいます。

まとめ

本記事では、化学メーカーDXについて、その基本的な意味から必要性、主要技術、導入メリット、そして推進における課題や成功事例まで、網羅的に解説しました。

化学メーカーDXとは、デジタル技術を活用して、研究開発から製造、サプライチェーンに至るまでのバリューチェーン全体を変革し、新素材開発の加速、生産効率の向上、そして持続可能性への貢献を目指す経営変革です。特に、MIやPIといったデータサイエンス技術の活用が、その成否を分ける鍵となります。

データのサイロ化や専門人材の不足、厳格な安全規制といった業界特有の課題は存在するものの、DXへの取り組みは、化学メーカーがグローバルな競争の中で勝ち残り、社会からの期待に応え続けるために不可欠な要素です。経営層の強いリーダーシップのもと、明確なビジョンを描き、現場を巻き込みながらスモールスタートで着実に進めること。それが、化学メーカーDXを成功に導くための重要な考え方となるでしょう。

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