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バックドアとは?攻撃の仕組みや手口と被害事例から対策方法を解説!

バックドアとは、ITの世界でWebサイトやサービス、システムに侵入するために作られた裏口の意味です。バックドアを利用することで、セキュリティや認証を回避し、何度も不正アクセスできるようになります。攻撃期間が長く検知が難しい攻撃としても知られる危険な攻撃です。

目次

  1. バックドアとは
  2. バックドアの攻撃手口
  3. バックドア攻撃の危険性
  4. バックドアによる被害事例
  5. バックドアへの対策
  6. バックドアのまとめ

バックドアとは

バックドアとは、Webサイトやサービス、システムに侵入するために作られた裏口の意味です。仕組みとしては、セキュリティや認証を回避するように、バックドアを設置します。バックドア攻撃の特徴は以下の4点です。

  • 何度も不正アクセスが繰り返される
  • 攻撃の検知が難しい
  • 攻撃期間が長期にわたる
  • システムやサービスの深く広い範囲に攻撃が及ぶ

バックドア攻撃は、何度も不正アクセスが繰り返されます。また、攻撃の検知が難しいため、攻撃が長期間にわたる傾向が多い攻撃です。以上により、システムやサービスの深く広い範囲が分析され、重要な機密情報を盗んだり、大量の個人情報を盗んだり、巨額の金銭被害をもたらしたりと、大きい被害になる危険があります。

ここでは、バックドアによる攻撃の仕組み、手口、危険性、被害事例、対策を紹介します。

バックドアによる攻撃の仕組み

攻撃者は、さまざまな方法で脆弱性を探し出し、不正にアクセスして個人情報や機密情報を盗み出します。ただし、現代のWebサイトやサービスは、複数のサーバやサービスを役割ごとに組み合わせるため、非常に複雑な仕組みとなっています。

一度の不正アクセスで個人情報や機密情報を大量に盗み出すことは難しいため、長い期間をかけて複雑な仕組みを分析する目的で、バックドアという仕組みを設置します。

ひとたびバックドアを設置されれば、認証やセキュリティを回避して、いつでも不正アクセスが可能となるのです。不正アクセスを繰り返し、長い時間をかけて仕組みを分析し、個人情報や機密情報を盗み出します。

バックドア型「トロイの木馬」

バックドアを設置する代表的なマルウェアの種類として「トロイの木馬」があります。トロイの木馬の手口は、無害なプログラムのふりをして侵入し、気付かれないように攻撃(主にバックドアの設置)するという仕組みです。一旦、バックドアが設置されると、不正アクセスがいつでも可能となります。

トロイの木馬は、不正アクセスしてから攻撃を開始するまでの間、動かずシステムに潜伏する仕組みのため、検知が非常に困難です。

JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC) によると、バックドアを利用したサイバー攻撃の事例が、非常に危険な攻撃として注意喚起されています。

Web サイトへのサイバー攻撃に備えて

バックドアの攻撃手口

攻撃者は個人情報を盗んだり、機密情報を盗んだりするために、脆弱性の利用や不正ダウンロードなど、さまざまな手口を用いてバックドアの設置を目指します。攻撃の手口を知ることは、防御の仕組みを作るのに非常に有用です。ここではバックドアの攻撃手口を6つ紹介します。

手口1:アプリケーション開発時に設置

ソフトウェアやプログラムを開発するときに、テストのためバックドアを一時的に作る場合があります。このバックドアは開発効率を上げるための機能です。発売までにバックドアを削除しなければなりませんが、削除が漏れ残るケースがあります。また、悪意を持った開発者が、システム構築時にわざとバックドアを削除しない場合もあります。

手口2:アプリケーションやOSの脆弱性の悪用

Webサイト、サービス、ネットワーク機器などで利用されているアプリケーションやOSに脆弱性があった場合、攻撃者は脆弱性を悪用して不正アクセスし、バックドアを設置します。バックドアを設置後は、機密情報を盗み出したり、不正なプログラムを設置したりして、非常に危険です。脆弱性については、修正プログラムが適用されていない場合や、未知の脆弱性の場合があります。

手口3:外部メンテナンス用のバックドア

ネットワーク機器やソフトウェアの中には、メンテナンス用として最初からバックドアが設置されている製品があります。攻撃者はこの製品を探し出し、バックドアから不正アクセスし、機密情報を盗み出したり、不正なプログラムを設置したりするのです。

手口4:不正なソフトウェアのダウンロード

意図的にバックドアを作りこんだソフトウェアを作成し、有用なフリーソフトを装って配布する場合があります。これは多数のユーザにダウンロード、及びインストールさせるための手口です。特に未知のマルウェアであれば、ウィルス対策ソフトが検知できない場合があります。

手口5:メールの添付ファイルを開かせる

メールの添付ファイルにマルウェアが仕込まれ、添付ファイルを開くとバックドアを設置される危険があります。不特定多数に不正なメールを送る場合もありますが、特定の企業や人物を狙って、メールの送信元や送信者を詐称する場合もあります。

手口6:Webサイトの閲覧時に設置

ユーザがWebサイトを訪問した際に、マルウェアをダウンロードおよびインストールさせるように、攻撃者がWebサイトを改ざんする手口もあります。ドライブバイダウンロードとも呼ばれるこの攻撃の特徴は、ユーザがマルウェアの感染にまったく気付かない点です。マルウェアがトロイの木馬の場合、発見されるまでに非常に長い時間がかかるため、長期間にわたり仕組みを分析されたり、より重要な機密情報を盗まれたりします。

バックドア攻撃の危険性

バックドア攻撃は攻撃期間が長く、システムやサービスの深く広い部分まで攻撃が及ぶのが特徴です。そのため、受ける被害は非常に大きくなる傾向があります。ここでは、バックドア攻撃の危険性を7つ紹介します。

情報流出の危険

バックドア攻撃により、攻撃者がいつでもWebサイトやサービスに不正アクセスできるようになります。そのため、長期間Webサイトやサービスの仕組みを分析され、顧客情報や従業員情報、技術情報といった深い機密情報を盗まれる危険があります。また、盗み出す情報量や種類も多くなるため、流出量が膨大になるのも特徴です。

操作記録窃取の危険

操作記録窃取とは、キーロガーなどのマルウェアがパソコンにインストールされ、操作記録を盗み出す手口です。ユーザIDやパスワードを入力した操作記録が盗まれた場合、機密情報が格納されたサーバにアクセスされたり、インターネットバンキングを不正利用されたりします。そのため、機密情報の流出や不正送金といった金銭被害が発生する危険があります。

通信傍受の危険

バックドア攻撃により、通信傍受のマルウェアがインストールされる手口もあります。メールやSNS、チャットの情報が傍受され、重要情報や機密情報を流出させることが可能です。更に傍受した情報の不正利用ダークウェブへの売買、インターネットへのばらまきといった二次被害が発生する危険もあります。

データやシステムが改ざんされる危険

バックドア攻撃により、何度も不正なアクセスを繰り返さ、格納されているデータが改ざんされる危険があります。データが改ざんされた場合、システムが起動しない、もしくは誤動作を起こすといった、本来可能であった業務に支障が生じ、企業活動が継続できない危険があります

それにとどまらず、バックアップデータの削除により、データを復元できない状態にすることや、アクセスログの改ざんや消去により、発覚後の調査を遅らせ証拠を隠滅することも可能です。

Webサイトを改ざんすることで、閲覧者を全く関係のない不正なWebサイトに誘導し、更なる被害の拡大を引き起こすこともあります。

他のサイバー攻撃の踏み台にされる危険

バックドア攻撃による不正侵入の後に、別のWebサイトやサービスへのサイバー攻撃の踏み台にされる危険があります。例えば、大量のデータを送り込むDDoS攻撃や、特定の個人や企業を狙った標準型攻撃です。踏み台の危険なところは、不正アクセスされたWebサイトやサービスから見た場合、踏み台にされた企業や個人からの攻撃に見えるため、加害者と間違われる危険があります。嫌疑を晴らすために、踏み台にされたことを証明するなどの対応が必要です。

遠隔操作の危険

バックドア攻撃による不正アクセスにより、パソコンやサーバを遠隔操作される危険があります。この攻撃の最も危険な点は、正規ユーザとしてパソコンやサーバを取り扱える点です。例えば、遠隔操作したパソコンから、不正送金やクレジットの利用や、不適切な投稿、データの意図的な削除などが可能です。

ログインしたパソコンを遠隔操作するため、あたかもパソコンに正規にログインしたユーザが不正行為をしたと思わせ、事件の発覚を遅らることもできます。

信用の失墜、機会の損失

バックドア攻撃の危険性を6つ紹介しましたが、いずれも第三者へ影響が及びます。そのため、被害を受けた場合は信用の失墜や、それに伴う機会の損失が発生します。

バックドアによる被害事例

バックドア攻撃により、大規模な個人情報流出や、多額の金銭被害といったさまざまな被害事例が報告されています。バックドアへの対策を講じる上で、被害事例を知ることは、非常に有用です。ここでは被害事例を6つ紹介します。

被害事例1:暗号資産取引所

2019年7月に発覚した金銭被害の事例です。暗号資産取引所のウォレットサーバにバックドアが仕掛けられ、約30億円もの暗号資産が流出しました。一般的なウィルス対策ソフトでは検知できず、調査機関が利用した高度なウィルス対策ソフトで、バックドアが検知されました。

被害事例2:アプリゲームの遠隔操作

2016年7月に発覚した遠隔操作の事例です。有名アプリゲームに、不正な改造を施したコピーアプリが発生しました。その数43種類のうち不正/迷惑アプリが19種類発生し、公式以外のダウンロードサイトにて配布。不正なアプリをインストールすると、管理者権限を要求され、応じると不正な機能がインストールされます。その中に、感染した端末を遠隔操するバックドア型アプリが確認されています。

被害事例3:ECサイト

2016年4月に発覚した情報流出の事例です。2010年4月にリリースされたECサイト構築プラットフォームに、2010年11月、脆弱性をついてバックドアが設置されました。

2015年11月、当該プラットフォームで構築されたECサイトに、バックドアを利用した不正アクセスが行われ、ECサイト管理画面のログインIDが盗難されました。盗まれたログインIDを使用した不正ログインが試行され、1社のECサイト管理画面にパスワードの類推による不正ログインが成功。ECサイトを利用していた1万人以上の氏名、住所、メールアドレス、電話番号、注文情報が流出しました。また、別1社の管理者画面にも不正アクセスされ、注文情報が閲覧されたとみられています。

この攻撃は、バックドアの設置期間が2010年11月から2016年4月と長いにもかかわらず、システム監査では検知できていない点が特徴です。

被害事例4:Linux

2016年2月に発覚した改ざんの事例です。LinuxOSのディストリビューション公式Webサイトが、脆弱性により不正アクセスされ、ダウンロード資産が改ざん。この改ざんされた資産を利用してシステム構築すると、バックドアが作られた状態でシステムが構築されます

この改ざんされた資産を元に構築された数百のシステムは、バックドアを利用して既に不正アクセス可能な状態にあるとされています。

そのほか、Linux Mintフォーラムのデータベースも攻撃され、メールアドレスや生年月日、プロフィール画像、暗号化したパスワードも流出されており、ダークWebにて出展されました。なお、ハッシュ化されたパスワードは、既に攻撃者によって一部解読されていると公表されています。この攻撃の目的はボットネット構築のためと攻撃者から発表されています。

被害事例5:PC遠隔操作事件

2012年7月~9月にかけて発覚した遠隔操作の事例です。インターネット掲示板を通じて、トロイの木馬に感染し、少なくとも5人のパソコンにバックドアが仕掛けられました。その後、パソコンを遠隔操作され、少なくとも13件の襲撃や殺害予告が発生。パソコンを遠隔操作された5人が誤認逮捕されています。のちに攻撃者が事実を公表したため、バックドアによる遠隔操作であることが判明しました。

被害事例6:音響機器販売会社

2008年4月に発覚した個人情報流出の事例です。被害件数は12万人超の個人情報、約97,500件ものクレジット情報が流出し、ユーザへの金銭補償が行われました。

2006年、SQLインジェクション攻撃により、バックドアが設置。以降、バックドアを利用して不正プログラムをシステム上に設置し、2007年から個人情報を少量ずつ盗み出し、2008年までに個人情報を盗み続けたと想定されます。

バックドアへの対策

バックドアはひとたび設置されると、攻撃の検知が非常に困難です。そのため、バックドアを「設置されない」ことが重要になります。また、バックドアを設置されても、攻撃時に外部との通信が必ず必要になるため、「通信の監視や兆候を見逃さない」ことも重要です。

ここでは、バックドアへの対策を6つ紹介します。

対策1:エンドポイントセキュリティの導入

近年は、従来のパターンマッチング型のウィルス対策ソフトでは検知できないマルウェアが増えています。そのため、従来型のウィルス対策ソフトに追加して、ふるまい監視し、攻撃の検知、マルウェアを駆除する、EDR(Endpoint Detection and Response)といった製品で、マルウェアに備えることが効果的です。

対策2:従業員へのサイバーセキュリティ教育

社員のセキュリティ意識を高める教育は極めて有効です。バックドア攻撃の仕組みや、被害事例を教育し、日ごろから注意していくことが重要です。継続的な教育は地道ですが、非常に効果があります。

対策3:ネットワーク検知・監視システムの導入

バックドアが仕掛けられた場合、予期しない外部との通信が発生します。外部との不正な通信を検知するために、IDSやIPS、WAFといったネットワーク監視システムが有効です。ネットワーク監視システムにより、不正な通信を検知、通報することで素早い遮断が可能となり、情報の流出を防止できます。

対策4:不審なサイトやメールは開かない

攻撃者は、トロイの木馬などのマルウェアに感染させるため、メールやチャットなどを利用して不審なサイトへ誘導したり、不審なメールを送ったりします。不審なサイトをむやみに開かない、不審なメールの添付ファイルやURLをむやみに開かないといった、社員のセキュリティ意識を高めることは極めて重要です。

対策5:マニュアルやルールの作成と徹底

バックドア攻撃に対する不審な通信の検知方法や初動対応、報告手順等を、マニュアルやルール化して共有する施策が有効です。事前に対処法を共有しておくことで、実際にバックドア攻撃が起きた際、迅速かつ適切に対応できるようになります。

また、トラブルの際にどの調査会社や専門家に依頼するかを、あらかじめ決めておくことも迅速に対応するためには有効です。

対策6:OSやアプリケーションは常に最新状態にする

攻撃者は攻撃手法を日々進化させており、それに伴い脆弱性も発見されています。脆弱性に対応したアップデートも日々行われているため、OSやアプリケーションはできるだけ早くアップデートし、新状態を保つことが重要です。

特に、発表された脆弱性をすぐに狙う攻撃者がいるため、速やかにアップデートして、最新状態を維持し続けることが重要です。

バックドアのまとめ

バックドア攻撃は長期間にわたり、システムやサービスの深く広い範囲を分析するため、重要な機密情報を盗んだり、大量の個人情報を盗んだり、巨額の金銭被害をもたらしたりと、大きい被害になる危険があります。

バックドアを設置させない仕組み作りと、日ごろの監視により、バックドア攻撃を防ぐ仕組み作りが重要です。

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