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ノーウェアランサムとは?最新の攻撃手口とその対策について解説!
この記事ではノーウェアランサムについて解説しています。ノーウェアランサムの最新の攻撃手口およびその対策について詳しく説明しているため、企業のサイバー攻撃対策に役立てられます。攻撃に対して冷静に対応するため、ぜひ記事を参考にしてください。
目次
ランサムウェア攻撃の新たな手口「ノーウェアランサム」とは?
従来のランサムウェア攻撃は、企業や組織のデータを暗号化し、その復旧と引き換えに身代金を要求するものでした。しかし、サイバー犯罪の手口は常に進化しており、2023年には日本において新たな脅威「ノーウェアランサム」が登場しました。
ノーウェアランサムは、データを暗号化せず、窃取した情報を公開または流出すると脅迫することで身代金を要求する攻撃手法です。
ノーウェアランサムは、特に医療機関や重要インフラなど、情報漏洩が深刻な影響をもたらす可能性のある組織を標的にすることが多いとされています。これらの組織は、事業継続のために身代金の支払いに応じる可能性が高いため、攻撃者にとって魅力的なターゲットとなります。
また、暗号化をおこなわないことで、攻撃者は法執行機関の追跡を回避しやすくなるとも考えられています。
ノーウェアランサムとランサムウェアの違い
ランサムウェアとノーウェアランサムは、その標的と脅迫の手法に明確な違いがあります。
ランサムウェアは、企業のシステムに侵入し、重要なデータを暗号化することで、そのシステムを使用不能にします。身代金(Ransom)を要求し、支払いを条件に復号ツールを提供するという古典的な手口です。
近年では、暗号化に加えて盗んだデータを公開すると脅迫する二重恐喝(ダブルエクストーション)も増加しており、被害企業への圧力はさらに高まっています。
一方、ノーウェアランサムは、システムそのものではなく、情報を人質にします。データを暗号化せず、窃取した情報を公開または漏洩すると脅迫し、身代金を要求するのです。
バックアップやセキュリティ対策を強化した企業が増えた結果、従来の暗号化だけでは脅しにならないと攻撃者が判断したためと考えられます。
ノーウェアランサムは、従来のランサムウェアの進化形とも言える存在です。暗号化という手間を省き、攻撃者はより迅速かつ容易に身代金を要求できるようになりました。
また、暗号化されたデータの復旧という技術的なハードルがないため、被害企業が身代金の支払いに応じる可能性も高まると懸念されています。
ノーウェアランサム被害は今後さらに増加する可能性も
従来のランサムウェア攻撃では、攻撃者はまずシステムの脆弱性を悪用して侵入し、その後、管理者権限を取得してデータを暗号化する必要がありました。このプロセスは複雑で時間がかかり、セキュリティ対策が強化されたシステムでは検知されるリスクも高まります。
一方、ノーウェアランサムは、暗号化という工程を省略し、攻撃を大幅に効率化しています。攻撃者は、システムに侵入してデータを窃取するだけで身代金を要求できるため、攻撃の実行にかかる時間と労力の大幅な削減が可能です。
暗号化をおこなわないことは、攻撃者にとって複数のメリットをもたらします。まず、暗号化の不備や被害組織のバックアップ対策によって攻撃が失敗するリスクが低減されます。
また、攻撃が迅速に実行できるため、被害組織が異常に気付く前にデータを窃取し、身代金を要求できます。これらの要因により、ノーウェアランサムの攻撃成功率は従来のランサムウェアよりも高まると考えられ、今後、被害がさらに拡大する可能性が懸念されているのです。
ノーウェアランサムに続く新種のマルウェア攻撃
ランサムウェア攻撃は、従来の「暗号化と身代金要求」という型にはまらない新たな形態へと進化を遂げています。この新種の手口では、攻撃者はランサムウェアを用いて機密情報を窃取し、ダークウェブ上で販売することで利益を得ています。
従来のランサムウェア攻撃は、企業や組織を直接標的にし、身代金を支払わせるのを目的としていました。しかし、新種の攻撃では、標的は被害企業ではなく、そのデータを必要とする第三者へと移行しています。
攻撃者は、盗んだデータをダークウェブ上で販売し、その対価を得るというビジネスモデルを確立しています。
2023年9月には、日本の大手ITメーカーがこの新種の攻撃の標的となりました。ハッカー集団「Ransomed.vc」が、同社のシステムから約6,000個のファイルへのアクセス権を獲得し、身代金を要求せずにデータを販売する意図を示しました。
この新種の攻撃形態の流行は、ダークウェブにおける不正入手データの需要に大きく依存しています。機密情報に対する需要が高ければ高いほど、攻撃者はより多くの利益を得ることができ、攻撃の動機も強まります。
企業にとっては、この新種の攻撃に対する対策は、従来のランサムウェア対策と大きく変わりません。セキュリティシステムの強化、従業員教育の徹底、インシデント発生時の対応計画の策定など、基本的なセキュリティ対策を継続的に実施することが重要です。
ノーウェアランサムの被害事例
ノーウェアランサムは、日本国内では2023年度から被害が確認され始めました。ここでは、日本国内での被害事例を紹介します。
伊丹市の委託事業者が不正アクセスで個人情報流出
伊丹市の委託事業者Y4.comは、2023年12月に不正アクセスの被害を受け、関連する個人情報が外部に流出したことを公表しました。
伊丹市がY4.comに委託していたのは「令和5年度伊丹市特定保健指導(ICT機器活用型)業務」であり、このシステムには参加者の氏名や住所、性別、生年月日、被保険者番号、健診結果が含まれていました。
Y4.comは、2023年12月18日に不正アクセスにより保存していたファイルが持ち出され、削除されたと発表しています。
同社は影響を受けたサービスを明らかにしておらず、管理しているデータベースサーバーやWebサーバーには影響がなかったとのことです。伊丹市は情報流出の可能性を受け、Y4.comによるセキュリティ強化とパスワード変更の実施を含む再発防止策が取られています。
国内でも6件確認されている
警察庁によると、2023年上半期(1月から6月)に国内で新型のサイバー攻撃が6件確認されました。従来とは異なり、データを暗号化しないまま盗み出し、公開をちらつかせて金品を脅し取る手口です。
ランサムウェアがVPNなどの脆弱性を利用してシステムに侵入しデータを暗号化するのに対し、新型攻撃はデータの盗難に留まります。この手法は海外では数年前から確認されていましたが、日本国内での確認は初めてです。
警察庁は犯罪集団が従来の手口から変更している可能性があると見ています。管理者権限の奪取を必要としないことが理由の一つと考えられ、警察庁は企業に対しプログラム更新などの対策強化を呼びかけています。
ノーウェアランサムの対策方法
ノーウェアランサム攻撃に対して、どのような対策が望ましいのでしょうか。ここでは対策方法について紹介します。
OSやソフトウェアを最新状態に更新する
サイバー攻撃から身を守るためには、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つことが極めて重要です。古いバージョンを使い続けるのは、セキュリティ上の脆弱性を放置する状態となり、サイバー攻撃の格好の標的です。
古いバージョンのソフトウェアには、既に発見・修正されている脆弱性が存在する可能性があります。攻撃者はこれらの脆弱性を悪用し、システムに侵入してデータを盗んだり、システムを破壊したりする恐れがあります。
セキュリティプログラムも例外ではなく、古いバージョンでは最新の脅威に対応できず、システム全体の安全性を損なうかもしれないのです。
VPN(仮想プライベートネットワーク)などのセキュリティ対策ツールも、定期的なアップデートが必要です。VPNは、インターネット上の通信を暗号化し、安全性を確保するための重要なツールですが、古いバージョンには脆弱性が存在する可能性があります。
攻撃者はこれらの脆弱性を突いてVPNを突破し、システムに侵入してくるのです。
OSやソフトウェアのアップデートは、セキュリティ対策の基本中の基本です。最新のセキュリティパッチを適用することで、既知の脆弱性を修正し、新たな脅威からシステムを守れます。
アップデートを怠ると、システム全体のセキュリティレベルが低下し、サイバー攻撃のリスクが高まるのを認識しておきましょう。
パスワードを複雑なものにする
サイバー攻撃の脅威から身を守るには、パスワードの管理が重要です。推測されやすい単純なパスワードは、攻撃者にとって格好の標的となってしまうため、パスワードポリシーを見直す必要があります。
具体的には、パスワードの長さを十分に確保し、大文字、小文字、数字、記号を組み合わせるなど、複雑なパスワードを設定するのが有効です。これにより、不正アクセスを防ぎ、情報資産を守れます。
また、定期的なパスワード変更も効果的な対策です。同じパスワードを使い続けるのは避け、定期的に新しいパスワードに変更すれば、セキュリティレベルを向上させられます。
多要素認証を導入する
サイバー攻撃の巧妙化が進む中、パスワードだけの認証ではセキュリティ対策として不十分です。そこで注目されているのが、多要素認証の導入です。
多要素認証とは、パスワードに加えて、SMS認証コード、指紋認証、顔認証、あるいは専用アプリで生成されるワンタイムパスワードなど、複数の要素を組み合わせて本人確認をおこなう仕組みです。
万が一パスワードが漏洩した場合でも、他の認証要素が突破されない限り不正ログインを防げます。
多要素認証は、企業や組織の情報資産を守るだけでなく、個人のアカウント保護にも有効です。導入の手間はかかりますが、セキュリティレベルを大幅に向上させられるため、積極的に検討する価値があります。
不審なサイトやファイルを開かない
サイバー攻撃の脅威から身を守るためには、不審なサイトやファイルにアクセスしないことが重要です。特に、スパムメールに記載されたリンクや添付ファイルには細心の注意を払いましょう。
これらのリンクやファイルは、マルウェア感染の入り口となり、個人情報や企業の機密情報が盗まれるリスクを高めます。安易にクリックしたりダウンロードしたりせず、送信元や内容を十分に確認するのが大切です。
また、Webサイトを閲覧する際も、URLが正しいか、セキュリティ証明書が有効かを確認しましょう。少しでも不審な点があれば、アクセスを控えるのが賢明です。
企業は、従業員に対するセキュリティ教育を徹底し、不審なメールやWebサイトへのアクセスを禁止するポリシーを明確に定める必要があります。従業員のセキュリティ意識を高めることで、サイバー攻撃のリスクを大幅に低減できます。
定期的にバックアップをする
サイバー攻撃の被害を受けた際、事業継続のためにはデータの復元が不可欠です。しかし、バックアップを取っていても、適切な方法でおこなわれていなければ、復旧は困難を極めます。
警察庁の報告では、バックアップを取得していた企業の多くが、暗号化されていない、データが古い、一部欠損しているなどの理由で復元に失敗している現状が明らかになっています。
そこで重要となるのが、「3-2-1ルール」に基づいたバックアップです。これは、3つのデータコピーを、2種類の異なるメディア(例えば、ハードディスクとクラウドストレージ)に保存し、そのうち1つはオフサイト(物理的に異なる場所)に保管するという原則です。
このルールに従えば、ハードウェアの故障、自然災害、ランサムウェアなどのサイバー攻撃など、あらゆるリスクに備え、データの安全性を最大限に高められます。
3-2-1ルール
サイバー攻撃や災害からビジネスを守るためには、3-2-1ルールに基づいた堅牢なデータバックアップ戦略が不可欠です。3-2-1ルールとは、データの安全性を最大限に高めるための基本原則です。
まず、データは3つ以上のコピーを作成します。これにより、万が一、オリジナルデータやバックアップデータの一部が破損・消失した場合でも、復旧の可能性を高められます。
次におこなうのが、これらのコピーを2種類以上の異なるストレージメディアの保存することです。例えば、ローカルのハードディスクとクラウドストレージ、または外付けHDDなど、異なる種類のメディアを使用すると、特定のメディアに障害が発生した場合のリスク分散が可能です。
そして、少なくとも1つのコピーはオフサイト、つまり物理的に離れた安全な場所に保管してください。これにより、火災、地震、洪水などの自然災害や、盗難、ランサムウェアなどのサイバー攻撃からデータを保護できます。
さらに、バックアップデータは暗号化し、ネットワークから隔離して保管すれば、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを低減できます。また、定期的にバックアップを取得し、復旧手順をテストすると、万が一の事態に備えられるはずです。
ウイルス対策ソフト・EPPを導入する
企業や組織を守るためには、従来のウイルス対策ソフトを超える、より高度なセキュリティ対策が求められています。そこで注目されているのが、エンドポイント保護プラットフォーム(EPP)です。
EPPは、PCやサーバーなどのエンドポイント端末を包括的に保護し、さまざまなサイバー攻撃から防御するセキュリティソリューションです。
特に、AI技術を活用した次世代EPPは、従来型のアンチウイルスソフトでは検知が困難だった未知のマルウェアやゼロデイ攻撃に対しても、高い防御性能を発揮します。
AIが日々学習を重ねることで、最新の脅威情報をリアルタイムに反映し、常に進化する攻撃手法に対応できる点が強みです。
また、EPPは、ウイルス対策だけでなく、不正侵入検知、ファイアウォール、Webフィルタリング、デバイス制御など、多層的なセキュリティ機能を備えているため、包括的なセキュリティ対策を実現できます。
NDRを導入する
新たな防御策として注目されているのが、ネットワーク検知応答(NDR)システムです。NDRは、ネットワーク全体を監視し、異常な通信や振る舞いを検知することで、未知の脅威や潜伏している攻撃を早期に発見できます。
従来のセキュリティ対策では見逃してしまうような、巧妙な攻撃の兆候を捉え、迅速な対応を可能にするため、企業や組織のセキュリティレベルを大幅に向上させられます。
NDRは、アンチウイルスソフトが未導入の端末や、VPN接続を利用した攻撃に対しても有効な対策となるため、幅広いセキュリティリスクに対応可能です。
EDRを導入する
エンドポイント検出応答(EDR)システム は、エンドポイント保護プラットフォーム(EPP)が見逃してしまう可能性のある脅威を検知し、迅速な対応を可能にする強力なツールです。
EDRは、エンドポイント端末上で発生するさまざまなイベントを監視し、異常な挙動や不審なプロセスを検知して、攻撃の兆候を早期に発見できます。
また、EDRは、攻撃を受けた後の調査や復旧を支援する機能も備えています。感染経路の特定、被害範囲の把握、データの復元など、インシデント対応に必要な情報を提供することで、迅速かつ効果的な対応を可能にします。
EDRは、ノーウェアランサムウェアだけでなく、従来型のランサムウェアやその他のマルウェア、不正アクセスなど、さまざまなサイバー攻撃に対する包括的なセキュリティ対策として有効です。
ノーウェアランサムに感染してしまった場合
ノーウェアランサムウェアの疑いがある場合、冷静かつ迅速な対応が被害拡大を防ぐ鍵となります。
まず、感染が疑われる端末を発見した場合、慌てて電源を切ったりせず、速やかにネットワークから隔離することが重要です。これにより、他の端末への感染拡大を防げます。
次に、事前に策定したインシデント対応計画に従い、状況を把握し、適切な対応手順を進めます。身代金の支払いは、さらなる攻撃を誘発する可能性があるため、絶対に避けましょう。まずは、警察庁や専門のセキュリティベンダーに相談し、指示を仰ぐのが重要です。
早期発見と迅速な対応が、被害を最小限に抑えることに繋がります。日頃からセキュリティ対策を徹底し、万が一の事態に備えて対応フローを整備しておくのが大切です。
ノーウェアランサム対策をしよう
ランサムウェア攻撃は、従来のファイルを暗号化する手法に加え、ファイルを暗号化せず身代金を要求する「ノーウェアランサム」といった新たな手口も登場し、その脅威は増大の一途をたどっています。
企業や組織にとって、ランサムウェア攻撃は事業継続を脅かす深刻なリスクであり、その対策は喫緊の課題です。
ランサムウェア攻撃は、今後も新たな手口が登場し、その脅威はさらに深刻化することが予想されます。企業は、常に最新の脅威情報を把握し、セキュリティ対策をアップデートしていく必要があります。
今こそ、自社のセキュリティ対策を見直し、強固な防御体制を構築して、ランサムウェア攻撃の脅威からビジネスを守りましょう。
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