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プロジェクトタイムラインとは?作成方法をステップごとに解説!
プロジェクトマネジメントでのプロジェクトタイムラインとは、時間軸でのプロジェクトの流れを表したもので、プロジェクトの進行を可視化するためのものです。この記事では、プロジェクトタイムラインの重要性や作成方法などについて解説します。
プロジェクトマネジメントにおけるタイムラインとは
プロジェクトをマネジメントする上では、計画段階でタイムラインを作成することが推奨されます。プロジェクトマネジメントにおけるタイムラインとは、プロジェクトの流れを、始まりから完了まで時間軸で表示したツールです。
時間軸に沿ってプロジェクトの進行を可視化して、メンバー全員と共有しやすくなり、メンバーがプロジェクト全体の流れを把握しやすくなるというメリットがあります。
ただし、プロジェクトタイムラインは、プロジェクト全体の流れを確認するためのツールであり、タスク同士の関係性や、各タスクの細かい進捗状況までを記載するものではありません。
プロジェクトタイムラインとガントチャートの違い
プロジェクトの進捗状況を表す工程表にはガントチャートもあります。プロジェクトタイムラインとガントチャートの違いとはどのような点にあるのでしょうか。
ガントチャートは、各タスクの作業量を横軸で表現して、ツリー状に配置した表です。各タスクの、内容、担当者、開始日、終了日、タスク間の関係性を縦軸に置いて、横軸で時間を表し、各タスクにどのくらいの時間が必要なのかを細かく把握できるようにします。
ガントチャートでは直線的にタスクの進捗状況を細かく把握できますが、並行して進む複数のタスクの進捗を同時に把握したり、途中の変更に対応したり、といったことはできません。
一方のタイムラインは、プロジェクト全体の流れを把握するものです。同時並行的に進む複数のタスクの把握もしやすい一方で、それぞれのタスクの細かい内容までは把握できません。
プロジェクト全体の大まかな流れの把握にはタイムラインを、チームごとの細かい進捗管理にはガントチャートを、といった感じでそれぞれ使い分けるといいでしょう。
プロジェクトタイムラインの重要性
プロジェクト計画を立てる上で、プロジェクトタイムラインを事前に作成することはプロジェクトを円滑に進めるためにもとても重要です。プロジェクトタイムラインの重要性について解説します。
プロジェクトのオンタイム化
プロジェクトタイムラインを作成することで、プロジェクトの進行を予定通りに、オンタイムで進めやすくなります。
プロジェクトタイムラインでは、プロジェクト全体のタスクが時系列に並べられているので、各チームが自分たちの行っているタスクが、プロジェクト全体においてどの位置にあるものか、他のタスクとどのような関連性を持っているのかを把握しやすくなります。
プロジェクトタイムラインで自分たちの遅れが、後でプロジェクト全体の進捗にどのように影響するのか理解できるので、より強い責任感を持って仕事に当たることができるようになるでしょう。
また、タイムライン上に時系列でタスクを並べていくことで、必要なタスクの抜け漏れを発見しやすくなるというメリットもあります。
プロジェクトマネジメントを容易に
プロジェクトの計画時にプロジェクトタイムラインを作成することで、プロジェクトマネジメントが簡単にできるようになります。
規模が大きなプロジェクトだと、プロジェクトマネージャーでさえも全体像を把握するのが難しく、どのように進捗を管理したらいいのか混乱してしまうこともあるでしょう。
プロジェクトの進行を時間軸でタイムラインに落とし込んでいくことで、壮大なプロジェクトでも実行可能な実現性の高いタスクに分解することができます。
そうすることで、プロジェクトの完了に向けてどのようなステップを踏んでいけばいいのか理解しやすくなり、プロジェクトマネジメントをより効率的に実行できるのです。
メンバー全員がプロジェクト概要を把握
プロジェクトをより円滑に進めるためには、参加しているメンバー全員がプロジェクトの成功という同じ目標に向かって進むことが重要です。
しかし、大まかな完成イメージしか提示できなければ、そこに至るまでの道筋を各自が勝手に解釈してしまい、動く方向性がばらばらになってしまう可能性もあります。
プロジェクトタイムラインで、時間軸に沿ったプロジェクトの進行をメンバー全員に提示できれば、全員が同じようにプロジェクトの概要を把握できて、自分たちのチームの役割も理解しやすくなるでしょう。
メンバー全員が俯瞰的にプロジェクトの概要を理解することで、同じ方向に向かって進めるので、よりプロジェクトの進行を効果的にマネジメントできるようになります。
リソースの効率的な管理
プロジェクトを進行するためには、予算、人員、機器等のリソースが必要です。どれも無制限に利用できるわけではなく、一定の制限の中でやりくりして進めていくしかありません。
プロジェクトタイムラインを作成することで、このリソースの管理をしやすくなります。
例えば、同時に同じ機器が必要なタスクが発生して機材の数が足りない時や、用意できる人数以上に人員が必要なタスクが同時に発生する場合には、いずれかのタスクの順番を入れ替えて、タスクが集中しないように工夫する、といったことを事前に計画できるでしょう。
こうしてリソースの配分を事前にタイムライン上で計画しておくことで、プロジェクトの進行をより効率化できます。
プロジェクトタイムラインの作成方法
プロジェクトタイムラインの作成方法をステップごとに詳しくみていきましょう。
ステップ1:プロジェクト範囲記述書の作成
プロジェクトタイムラインの作成方法の1番目のステップは、プロジェクト範囲記述書を作成することです。
プロジェクト範囲記述書とは、プロジェクトの目的と成果物を明確化して、その上で、目的を達成するために必要な作業の範囲を定義して記述した文書です。
特に、外部に委託する場合には必須のもので、元請けと請負業者のそれぞれの業務内容を明確化するためにも必要となります。
プロジェクト範囲記述書では、プロジェクトの目的を達成するために必要なタスク、予算、スケジュールなど、プロジェクトの計画を立てるために必要な条件が全て記載されます。
プロジェクト範囲記述書をあらかじめ作成しておくことで、スケジュールや予算、必要な作業の全体像と全体量を把握しやすくなり、その後の具体的なタイムライン作成に大きく役立ちます。
ステップ2:作業分解構造(WBS)の作成
プロジェクトタイムラインの作成方法の2番目のステップは、作業分解構造を作成することです。
作業分解構造、WBSは「Work Breakdown Structure」の頭文字です。プロジェクトを進めるために必要なタスクを分解、分類して、階層構造として表します。
WBSを作成することで、プロジェクト全体のタスクを具体的に見える化できます。また、構造化することで、優先順位もつけやすくなり、タイムライン作成時に時系列でタスクを整理していくのにも役立つでしょう。
WBSを作成することで、タスクの全体像を把握しやすくなり、メンバーやチームの役割を明確化しやすくなります。
ステップ3:タスクの洗い出し
プロジェクトタイムラインの作成方法の3番目のステップは、タスクの洗い出しです。
WBSで見える化したタスクを、具体的なToDoリストに落とし込んでいきます。ToDoリストを作成したら、プロジェクトの成果物に至るため、それぞれのタスクを実行するのに必要なことは何かを分析します。
このときに、各タスク間で共通する要素がないか、といったことにも注意しておきます。このステップでタスク間での共通点や依存関係を発見しておくことで、次のステップでの依存関係決定に役立ちます。
ステップ4:タスクの依存関係決定
プロジェクトタイムラインの作成方法の4番目のステップは、タスク間の依存関係の決定です。タスクの依存関係とは、あるタスクが完了しなければ開始できないタスクのことです。
例えば、農作業であれば、先に農地を耕した後でなければ種まきはできません。この場合は、農地を耕すというタスクが、種まきの前に必ず実行される必要があります。このような関係にあるタスクを整理していきましょう。
各タスクにおいて、この依存関係を整理することで、タスクを時系列でタイムライン上に並べていくことが可能になります。
なお、タスクの関係性が複雑で、依存関係を特定するのに時間がかかることもあります。そのような場合には、フローチャートを色分けするなど工夫してみましょう。
ステップ5:タスクの必要時間を算定
プロジェクトタイムラインの作成方法の5番目のステップは、各タスクに必要な時間を算定します。このときには、必要十分なスキルを持つメンバーが、集中して中断なしで作業に取り組んだ場合に必要な時間をできる限り正確に割り出します。
作業時間を正確に割り出すことが難しい場合には、そのプロジェクトに詳しいコンサルやアドバイザーなどの専門家の助言を仰ぐのもいいでしょう。
ステップ6:リソースの可用性を特定
プロジェクトタイムラインの作成方法の6番目のステップは、リソースの可用性を特定することです。
各タスクを実行するのに必要な時間を算定したら、次にプロジェクトを実行するために使えるリソースを特定していき、ステップ5で割り出した作業時間を実現可能なものに修正していきます。
ステップ5で割り出した作業時間は、十分なスキルを持つメンバーが最短で作業をこなした場合にかかる時間です。しかし、実際には人数が足りなかったり、スキルが十分ではないメンバーが加わったりして、ステップ5で計算した時間では足りなくなるでしょう。
ステップ5では、10時間で終わると計算したタスクでも、リソースの制限により実際には1ヶ月ほどかかる可能性もあります。
スキルの高いメンバーは、他の業務も兼務しての参加になることも多いので、それぞれのメンバーがプロジェクトに参加できる時間や、こなせる作業量を考慮して、各タスクの終了にかかる実際的な作業時間を特定していきます。
ステップ7:タスクのマイルストーンを設定
プロジェクトタイムラインの作成方法の7番目のステップは、タスクのマイルストーンを設定することです。マイルストーンとは、道路に1マイルごとに置かれた道標のことで、ビジネスではプロジェクトにおける中間目標、チェックポイントという意味で使われます。
プロジェクトの規模が大きいときには、タスクごとに進捗をチェックすることは非効率です。そこで、複数のタスクをマイルストーンごとにまとめて進捗をチェックしていきます。
マイルストーンは、できるだけ細かく設定したほうがいいでしょう。大まかに設定してしまうと、万が一遅れが生じていた場合に、遅れを取り戻すのが難しくなります。1週間に1回か2回程度の細かいチェックで、遅れを確実に取り戻せるようにしましょう。
また、マイルストーンごとに予備日も設けて、万が一、進捗に遅れが生じた場合に備えます。遅れが生じたとしても、マイルストーンごとに解消できるかどうかが、プロジェクト炎上を防止するためにも重要なポイントになるでしょう。
ステップ8:プロジェクトタイムラインの作成
プロジェクトタイムラインの作成方法の8番目のステップは、プロジェクトタイムラインの作成です。
プロジェクト全体を細かいタスクに分解して構造化し、時系列ごとの依存関係で整理して、マイルストーンを設定したら、具体的なタイムラインの作成に入ります。
ここまで整理してきたタスクやマイルストーンを、時系列で並べていきます。また、各タスクで必要な時間を横軸の長さで表して、それぞれのタスクに必要となる時間を、メンバーが視覚的に理解できるようにしましょう。
プロジェクトタイムラインを作成するためのツールは、有料のプロジェクト管理ツールを導入していれば、その管理ツール内のスケジュール管理ツールを使うことが多いようです。
有料ツールを導入していない場合には、ExcelやGoogleスプレッドシートといった表計算ツールでも作成可能です。表計算ツールはスケジュール管理ツールではないので、タイムライン作成には機能の制限もあります。
また、作成に手間がかかるかもしれません。しかし、無料で提供されているスケジュール管理用テンプレートを使うことで効率的にタイムラインを作成できます。
タスクとマイルストーンを時間軸で整理したら、プロジェクトタイムラインの作成は完了です。
ステップ9:プロジェクトタイムラインの共有
プロジェクトタイムラインの作成方法の9番目のステップは、プロジェクトタイムラインをプロジェクトメンバーで共有することです。
プロジェクトタイムラインを作成したら、プロジェクト開始前にプロジェクトメンバーに配布してタイムラインを共有します。
タイムラインを共有することで、各メンバーがプロジェクトの全体の流れを理解するとともに、自分が関わるタスクの時系列での位置や、同時並行するタスク、前後するタスクとの関係性を理解することができるでしょう。
共有方法は、プロジェクト管理ツールを導入していて、メンバーにアカウントが割り当てられている場合には、ツールで共有できます。
プロジェクト管理ツールを導入していなかったり、管理ツールのアカウントが割り当てられないメンバーがいたりしたら、ファイルで送信するか印刷したものを渡して共有しましょう。
ステップ10:プロジェクトの進捗管理
プロジェクトタイムラインの作成方法の10番目のステップは、プロジェクトの進捗を管理して、プロジェクトを遂行することです。
プロジェクトタイムラインとガントチャートをどれほど精密に作り上げたとしても、事前の計画通りに進むことはありません。
途中で必ず、何らかの不測の事態に見舞われます。マイルストーンごとに吸収できる程度であれば問題ありませんが、マイルストーンをまたいで対応するべき事態が起きた場合には、タイムラインの変更も行いましょう。
タスクを余裕のあるチームへ移動する、順番を入れ替えるなどの変更を行い、タイムラインの内容を書き換えます。
タイムラインを書き換えたら、速やかに関係者に新しいタイムラインを共有して、進捗管理についての認識を全員で共有できるようにしましょう。
プロジェクトタイムラインまとめ
プロジェクトタイムラインは、プロジェクトの進捗の全体像をメンバーで共有するために重要なものです。関係者が多い大規模なプロジェクトであるほど重要度が大きくなります。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの計画段階で必要なタスクをしっかりと整理して、タイムラインに落とし込み、プロジェクトが円滑に進められるように準備しましょう。
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