menu background

PMとは?プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの違い、役割

この記事では、多くの人が混同しがちな「プロジェクトマネージャー」と「プロダクトマネージャー」という2つのPMの決定的な違いを、役割や仕事内容から徹底比較。初心者にもわかりやすく解説します。

目次

  1. PMとは何の略?文脈によって異なる2つの主な意味
  2. 【比較①】プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの違い
  3. 【比較②】プロジェクトマネージャーとPMOの違い
  4. プロジェクトマネージャー(PM)の具体的な仕事内容
  5. まとめ

ビジネスの会話やメールの中で、PMという言葉が当たり前のように使われるようになりました。「あの件はPMに確認して」「次のPMは誰がやるの?」といったやり取りを耳にしたことがある方も多いでしょう。しかし、そのPMが文脈によって全く異なる役割を指していることをご存知でしょうか。

実は、ビジネスシーンで使われるPMには、主に2つの重要な意味があります。それを知らずに話を進めてしまうと、大きな認識のズレが生じかねません。

この記事では、多くの人が混同しがちな「プロジェクトマネージャー」と「プロダクトマネージャー」という2つの「PM」について、その決定的な違いとそれぞれの役割を、初心者の方にも理解しやすいように徹底的に解説していきます。

PMとは何の略?文脈によって異なる2つの主な意味

ビジネスにおけるPMという言葉は、ほとんどの場合、「プロジェクトマネージャー(Project Manager)」か「プロダクトマネージャー(Product Manager)」のどちらかを指す略語です。どちらの意味で使われているかは会話や文章の文脈によって異なり、この2つの役割は全くの別物です。

稀に「Prime Minister(首相)」や「Performance Marketing(パフォーマンスマーケティング)」などの略語として使われることもあります。しかし、プロジェクトや製品開発の文脈でPMと出てきた場合は、まず前者2つのどちらかを指していると考えて間違いありません。本記事では、このビジネス上非常に重要な2つのPMについて、その違いを詳しく解説していきます。

PMとは何の略?文脈によって異なる2つの主な意味

【比較①】プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの違い

プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーは、どちらもプロジェクトや製品開発において中心的な役割を担いますが、そのミッションと責任範囲は明確に異なります。

結論から言うと、プロジェクトマネージャーは、決められた期間と予算内で特定の「プロジェクト」を計画通りに完遂させることに責任を持ちます。一方で、プロダクトマネージャーは、「プロダクト(製品・サービス)」そのものの事業的な成功に責任を持ち、市場や顧客にとって価値のある製品は何かを定義します。

1. ミッションの違い

両者のミッションは、英語で表現すると非常に分かりやすくなります。

プロジェクトマネージャーのミッションは「How & When」です。つまり、作ることが決まったものを、いかに効率的に、計画通りに、高品質で完成させるかという実行の最適化を役割とします。

一方、プロダクトマネージャーのミッションは「What & Why」です。市場や顧客が抱える課題を深く理解し、「なぜ」作る必要があるのかを突き詰め、何を作ればビジネスとして成功するのかという製品のビジョンや戦略を描く価値の定義を役割とします。

2. 責任期間の違い

責任を負う期間にも大きな違いがあります。

プロジェクトマネージャーの責任期間は、プロジェクトが発足してから完了するまでという期間限定です。プロジェクトが無事に終われば、その役割も一旦完了となります。

それに対してプロダクトマネージャーは、製品が市場に存在する限り、そのライフサイクル全体に永続的に責任を持ちます。製品の企画段階から開発、リリース後の成長、そして最終的にサービスを終了するまで、製品の成功に長期的にコミットし続けます。

3. 主な業務内容の違い

ミッションと責任期間が異なるため、具体的な業務内容も大きく変わってきます。

プロジェクトマネージャーの主な業務は、WBSの作成、詳細なスケジュール管理、課題やリスクの管理、開発チームのマネジメントなど、プロジェクトを計画通りに進めるための実行管理が中心です。

一方、プロダクトマネージャーの主な業務は、市場調査や競合分析、製品のコンセプト策定、開発の優先順位を決めるロードマップの作成、KGIやKPIといった事業目標の設定、開発すべき機能の仕様策定など、製品の価値を最大化するための企画・戦略が中心となります。

【比較②】プロジェクトマネージャーとPMOの違い

プロジェクトマネージャーを語る上で、もう一つ比較しておきたいのがPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)との違いです。この両者は敵対関係ではなく、プロジェクトを成功に導くための強力なパートナーです。

その関係性は、例えるとPMがプロジェクトの「船長」であるのに対し、PMOはPMの意思決定を支え、航海全体をサポートする「航海士」のような存在といえます。

1. 立場の違い

PMは、プロジェクトチームを率いる総責任者です。プロジェクトの成功という結果に対して、最終的な責任を負う立場にあります。

一方、PMOは、PMがリーダーシップを最大限に発揮できるよう、プロジェクトマネジメントの専門的な知見から支援を行うサポーターです。プロジェクトが円滑に進むためのプロセスや環境を整備することが主な役割です。

2. 視点の違い

PMは、自身が担当する一つのプロジェクトの成功に集中します。その視点は、常に担当プロジェクトの内部に向けられています。

一方PMOは、多くの場合、複数のプロジェクトを横断的に見て、組織全体の視点から物事を考えます。例えば、組織全体でプロジェクト管理の手法を標準化したり、複数のプロジェクト間でリソースの最適化を図ったりします。

プロジェクトマネージャー(PM)の具体的な仕事内容

ここでは、より多くの場面でPMとして使われることが多い、プロジェクトマネージャーの具体的な仕事内容について、4つの主要な活動に分けて解説します。

1. プロジェクトの計画立案

プロジェクトの成功は、その土台となる計画の質に大きく左右されます。PMは、まずプロジェクトの目的を達成するために、何をどこまでやるのか、いくらかかるのか、いつまでにやるのかを明確に定義し、詳細な実行計画を作成します。

2. チームの組成とマネジメント

優れた計画があっても、それを実行するチームがいなければ意味がありません。PMは、プロジェクトに必要なスキルを持つメンバーを集めてチームを組成し、それぞれの役割とタスクを明確に割り振ります。また、プロジェクト期間中、チームメンバーのモチベーションを維持し、チーム全体の生産性が最大化されるよう働きかけることも重要な仕事です。

3. 進捗管理と課題解決

プロジェクトが計画通りに進んでいるかを常に監視し、計画と実績の間に生まれた差異をいち早く発見します。問題が発生した際には、その原因を特定し、解決策を立案して実行に移す、プロジェクト運営の中心的な役割を担います。

4. ステークホルダーとのコミュニケーション

プロジェクトは、チーム内だけで完結するものではありません。顧客、経営層、関連部署、協力会社など、様々な関係者が存在します。PMは、これらの関係者に対してプロジェクトの状況を定期的に報告し、必要な協力や意思決定を仰ぐなど、円滑なコミュニケーションを通じて、プロジェクトの推進に必要な環境を整えます。

まとめ

本記事では、ビジネスシーンで頻繁に使われるPMという言葉が指す、2つの主要な意味について詳しく解説しました。

PMは、文脈に応じて「プロジェクトマネージャー」か「プロダクトマネージャー」のどちらかを指します。両者の最大の違いは、プロジェクトマネージャーが「How & When」という実行に責任を持つ遂行者であるのに対し、プロダクトマネージャーは「What & Why」という価値の定義に責任を持つ企画者であるという点です。

この記事が、あなたのPMに関する理解を深める一助となれば幸いです。

コンサルティングのご相談ならクオンツ・コンサルティング

コンサルティングに関しては、専門性を持ったコンサルタントが、徹底して伴走支援するクオンツ・コンサルティングにご相談ください。

クオンツ・コンサルティングが選ばれる3つの理由

①大手コンサルティングファーム出身のトップコンサルタントが多数在籍
②独立系ファームならではのリーズナブルなサービス提供
③『事業会社』発だからできる当事者意識を土台にした、実益主義のコンサルティングサービス

クオンツ・コンサルティングは『設立から3年9ヶ月で上場を成し遂げた事業会社』発の総合コンサルティングファームです。
無料で相談可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

>>無料でのお問い合わせはこちら

関連記事

プロジェクトマネジメントのフレームワークとは?代表的な手法や選び方を紹介

PMO

プロジェクトマネジメントのフレームワークとは?代表的な手法や選び方を紹介

プロジェクトマネジメントのフレームワークとは何か、基本からわかりやすく解説。ウォーターフォールとアジャイルの違いから、PMBOKやスクラムといった代表的な手法までを紹介します。

PMとPMMの違いとは?役割・スキル・年収を比較【PdMとの関係も解説】

PMO

PMとPMMの違いとは?役割・スキル・年収を比較【PdMとの関係も解説】

プロジェクトマネージャー(PM)とプロダクトマーケティングマネージャー(PMM)の役割や責任範囲の違いを徹底比較。重要な関係者であるPdMとの関係性も含め、現代のプロダクト開発体制がわかります。

PMMとは?PdMとの違い・仕事内容・必要なスキルを解説

PMO

PMMとは?PdMとの違い・仕事内容・必要なスキルを解説

この記事では、PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)の役割や具体的な仕事内容、必要なスキルを徹底解説。プロダクトの成功に不可欠なPMMという専門職の全体像がわかります。

プロジェクトマネージャーの役割とは?仕事内容から必要な5つのスキルまで徹底解説

PMO

プロジェクトマネージャーの役割とは?仕事内容から必要な5つのスキルまで徹底解説

プロジェクトマネージャー(PM)の役割とは何か、その具体的な仕事内容から必要な5つのスキルまでを解説。PMの役割をプロジェクトのフェーズ別に分解し、PMOとの役割分担も明確に説明します。

PMとPdMの違いとは?役割・スキル・年収を徹底比較【1分でわかる早見表あり】

PMO

PMとPdMの違いとは?役割・スキル・年収を徹底比較【1分でわかる早見表あり】

プロジェクトマネージャー(PM)とプロダクトマネージャー(PdM)の役割、スキル、年収の違いを徹底比較。両者の関係性やキャリアパスまで、初心者にもわかりやすく解説します。

プロジェクトにおけるPMOとは?PMとの違いから役割、必要性までわかりやすく解説

PMO

プロジェクトにおけるPMOとは?PMとの違いから役割、必要性までわかりやすく解説

PMOの基本的な意味から、PMとの明確な違い、具体的な4つの役割、そしてPMOが必要とされる状況まで、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します。

システム開発におけるPMOの役割とは?仕事内容と必要性を解説

PMO

システム開発におけるPMOの役割とは?仕事内容と必要性を解説

この記事では、なぜシステム開発プロジェクトにPMOが不可欠なのか、その具体的な仕事内容から、一般的なPMOとの違い、開発手法別の役割までを分かりやすく解説します。

PMOコンサルタントとは?仕事内容・年収・必要なスキルからなり方まで徹底解説

PMO

PMOコンサルタントとは?仕事内容・年収・必要なスキルからなり方まで徹底解説

PMOコンサルタントという専門職について、社内PMOとの違いから具体的な仕事内容、リアルな年収相場、そして未経験から目指すためのキャリアパスまで徹底的に解説します。

フリーランスPMOは稼げる?案件単価の相場からなり方、おすすめエージェントまで紹介

PMO

フリーランスPMOは稼げる?案件単価の相場からなり方、おすすめエージェントまで紹介

フリーランスPMOの気になる案件単価の相場とリアルな年収、独立するメリット・デメリット、そしてフリーランスになるための必須スキルと案件獲得方法を徹底解説します。

PMO人材とは?求められるスキルから優秀な人材の確保・育成方法までを徹底解説

PMO

PMO人材とは?求められるスキルから優秀な人材の確保・育成方法までを徹底解説

PMO人材に求められる4つの必須スキルから、企業が優秀な人材を確保・育成する3つの方法、そして個人が市場価値を高めるためのステップまで、網羅的に解説します。