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VPNのセキュリティは安全?仕組みやメリットとリスクを解説!

本記事ではVPNのセキュリティについて解説しています。安全性と危険性、仕組み、メリット、さらにはリスクまで詳しく説明しています。最後まで読むと、VPNのセキュリティをよく理解できますので、企業のセキュリティ対策に役立ててください。

目次

  1. VPNとは
  2. VPNの種類
  3. VPNのセキュリティの仕組み
  4. VPNのメリット
  5. VPNのセキュリティの安全性
  6. VPNの危険なセキュリティリスク
  7. VPNのセキュリティ事故事例
  8. VPNのセキュリティ対策
  9. VPNのセキュリティまとめ

VPNとは

VPNは、例えるならインターネット上の秘密のトンネルです。普段のネット利用は、人通りの多い大通りを歩くようなものですが、VPNを使うと、誰にも見られないプライベートなトンネルを通って目的地にたどり着けます。

このトンネル内では、通信内容は秘密の暗号で守られるので、周りの人に覗かれたり、邪魔されたりする心配はありません。ネットショッピングやネットバンキングなど、個人情報を扱う時も安心です。

VPNは、安全で自由なインターネットライフを送るための、心強い味方となるでしょう。

VPNの使われ方

VPNは、現代のビジネスや日常生活における頼れる「ボディガード」のような存在です。リモートワークで自宅やカフェで仕事をする時、VPNは通信をしっかりと守り、会社の情報漏洩を防ぎます。まるで、そばにセキュリティ担当者がついているような安心感です。

企業にとっても、VPNは複数の拠点を安全につなぐ「架け橋」となります。本社と支社間のデータのやり取りも、専用回線のように安全におこなえます。情報漏洩のリスクを減らし、ビジネスの信頼性を高める効果があるのです。

また、外出先でついつい利用してしまう無料Wi-Fiは便利ですが、危険も潜んでいます。VPNはそんな時にも通信を「盾」のように守り、個人情報やクレジットカード情報を盗み見から守ります。

VPNの種類

VPNには大きく分けて4種類あり、それぞれに異なる特徴があります。代表例としてインターネットVPN、IP-VPN、エントリーVPNおよび広域イーサネットがあります。

各タイプはセキュリティ性能やコスト面で違いがあり、使用目的や状況に応じて適切に選ばなければなりません。ここでは、それぞれのVPNの種類と特徴について紹介します。 

インターネットVPN

インターネットVPNは、いわば「高速道路」のような存在です。普段使っているインターネット回線を活用し、その上に安全な「専用レーン」を作ります。複数の拠点間をまるで専用線でつないだかのように、安全かつスムーズにデータのやり取りが可能です。

従来の専用線に比べてコストが安く、手軽に利用できるのが大きなメリットです。しかし、便利な反面、サイバー攻撃の標的になりやすいという側面もあります。また、利用者が多い時間帯は、どうしても通信速度の低下が発生してしまうことがあります。

広域イーサネット

IP-VPNと広域イーサネットは、例えるなら「手紙」と「宅配便」のような関係です。

IP-VPNは、宛名(IPアドレス)を見て手紙を届けるイメージで、シンプルでわかりやすいですが、中身(データ)の種類によって細かい対応はできません。

一方、広域イーサネットは、複数の拠点を一つの大きな家(LAN)のようにつなぎ、宅配便のように様々な荷物を自由にやり取りできます。通信が安定しやすく、特別な装置(ルーター)も不要なので、コストを抑えられるメリットもあります。

ただし、宅配便と同じように、荷物の仕分けや配送ルートの設定など、細かい準備が必要です。専門的な知識が必要で、設定や管理が複雑になるというデメリットもあります。

エントリーVPN

エントリーVPNは、いわば「一般道」と「高速道路」の両方の特徴を持つ「バイパス」のような存在です。

インターネットVPNのように手軽に利用できる上、広域イーサネットのように安全な専用ネットワークを構築できます。つまり、コストを抑えつつ、セキュリティを向上させることができる、まさに「いいとこ取り」のVPNと言えるでしょう。

しかし、この「バイパス」には「交通量規制」がありません。そのため、IP-VPNや広域イーサネットのような「高速道路」と比べると、時間帯によっては渋滞(通信速度の低下)が発生してしまう可能性があります。

IP-VPN

IP-VPNは、「高級ホテル」のような存在です。セキュリティが万全で、サービスの質も高く、快適に過ごせる空間が提供されます。企業にとっては、安心して重要な情報をやり取りできる、まさに「VIP待遇」のネットワークと言えるでしょう。

IP-VPNは、専用の回線を使うため、セキュリティ面で非常に優れています。また、「サービス品質保証(SLA)」という契約によって、通信速度や安定性も常に高いレベルで保たれます。まさに、高級ホテルの「コンシェルジュ」のように、快適なネットワーク環境をサポートしてくれるのです。

しかし、高級ホテルと同じように、IP-VPNは利用料金が高額になるというデメリットがあります。また、専門的な知識が必要なため、導入や運用にはある程度の技術力が必要です。

VPNのセキュリティの仕組み

VPNのセキュリティはどのようになっているのか、その仕組みについて解説します。

トンネリング・暗号化・認証

VPN(Virtual Private Network)は、インターネットなどの公衆回線を経由して、あたかも専用線で接続しているかのような安全な通信環境を構築する技術です。企業においては、本社や拠点間で安全なデータ通信を行うために広く利用されています。

VPNのセキュリティ対策の要となるのが「トンネリング」です。トンネリングは、データを送信者と受信者の間に仮想的なトンネルを構築し、その中を通るデータをカプセル化・暗号化することで、外部からの盗聴や改ざんを防ぎます。さらに、認証機能によって許可されたユーザーのみが通信できるようにすることで、セキュリティを強化します。

VPNと似た技術に「専用線」がありますが、専用線は拠点間を物理的に直接接続するため、距離が長くなるとコストが大幅に増加するのがデメリットです。

一方、VPNはインターネットなどの既存のネットワークを利用するため、距離によるコスト変動が少なく、柔軟なネットワーク構築が可能です。

このような特徴から、VPNは多くの企業で導入されており、セキュアな情報共有を実現するための重要なツールとなっています。

VPNの接続プロセス

通常のインターネット接続では、プロバイダがWebサイトへのアクセスを仲介しますが、VPN接続ではこの役割をVPNサーバーが担います。

まず、VPNクライアント(PCやスマートフォン)は、VPNサーバーに接続し、認証を受けます。認証が完了すると、VPNサーバーは送受信するすべてのデータを暗号化するのです。

暗号化されたデータは、さらに外部のパケットで包み込まれ(カプセル化)、仮想的なトンネルを通ってインターネット上を安全に移動します。

VPNサーバーに到達したデータは、復号化され、外部のパケットが取り除かれます。これにより、データは元のWebサイトに安全に届けられるのです。VPN接続では、このようにデータを暗号化し、仮想的なトンネルを通すことで、安全な通信を実現しています。

VPNのメリット

VPN接続を利用すると、低コストでセキュリティ対策を施した拠点ネットワークの構築が可能です。専用線を使う方法もありますが、中小企業にはVPNのほうが適しているでしょう。また、スマートフォンを活用した柔軟な働き方も実現できます。

以下に、VPNを利用するメリットを解説します。 

メリット1:安全なリモートアクセス

VPN接続を利用すると、外出先や自宅からでもセキュアに社内LANへアクセスできるというメリットがあります。PCだけでなく、スマホからも簡単に接続できるため、メールやデータを手軽に確認できます。

このメリットにより、リモートワークが推奨される現在、VPNを通じて社内LANに接続すれば、安心して業務をおこなえるでしょう。 

メリット2:拠点間接続

VPNは、専用線よりもコストを抑えつつセキュリティを考慮した拠点間通信が可能なため、中小企業にとって導入しやすいネットワークソリューションです。

VPNサーバの利用により、離れた拠点間で仮想的に同一LANを構築できるサービスも存在します。このメリットにより、高速で安定した接続が実現されます。 

メリット3:コストを抑えた通信セキュリティの強化

VPNは、トンネリング技術を使って通信を暗号化し、認証方式を組み合わせることで、専用線には及ばないものの、セキュアな通信を実現します。これにより、フリーWi-Fi利用時でも情報漏えいのリスクを低減できます。

さらに、安価なルーターを利用できるため、このメリットでは専用線に比べて初期費用、メンテナンスやサービス料を低く抑えられるのが特徴です。 

VPNのセキュリティの安全性

VPNには、主に4つのタイプがあり、それぞれ安全性や特徴が異なります。

一部のVPNは、一般的なインターネット回線を利用するため、コストを抑えられますが、セキュリティ面では注意が必要です。一方、限られたユーザーだけが利用できる閉域網(クローズドネットワーク)を使うVPNは、より高い安全性を確保できます。

具体的には、インターネットVPNは手軽に利用できますが、セキュリティリスクも伴います。より安全性を重視する場合は、通信事業者が提供する閉域網を利用したIP-VPNやエントリーVPNがおすすめです。さらに、広域イーサネットを活用すれば、セキュリティ設定を自由にカスタマイズすることも可能です。

ただし、閉域網を利用したVPNであっても、絶対的な安全を保証するものではありません。信頼性の低いネットワークやサーバーの使用、不適切な運用、セキュリティ意識の欠如などが、情報漏えいのリスクを高める可能性があります。

VPNを選ぶ際は、利用目的や求めるセキュリティレベルに応じて、適切なタイプを選択することが重要です。

VPNの危険なセキュリティリスク

多くのメリットがあるVPN接続ですが、いくつかの危険なセキュリティリスクも存在します。メンテナンスが不十分だと情報漏えいが発生する危険性があり、高品質を求めるとコストが増加する恐れもあります。以下に、VPN接続による代表的なセキュリティリスクを紹介します。 

セキュリティリスク1:安全性の過信

VPN接続をしていても、完璧に安全な通信が保証されるわけではありません。例えば、ルーターなどの機器のファームウェアが最新でない場合、その脆弱性を狙ってハッキングされる危険性があります。

また、接続先の機器に問題がある場合、こちら側から確認するのは難しく、そのような状態で接続すると、情報漏えいの危険が高まります。 

セキュリティリスク2:端末のマルウェア感染

VPNのセキュリティ対策では、通信経路だけでなく通信端末にも注意が必要です。暗号化された通信はプライバシー保護に役立ちますが、ウイルスを発見して排除する機能はありません。そのため、危険を回避するために端末がウイルスに感染しないように常に注意を払う必要があります。

ウイルスに感染した端末がある場合、どのような対策が必要かを考えることが重要です。まず、感染した端末はそのままVPN経由で社内ネットワークに接続するべきではありません。なぜなら、社内全体に感染が広がる危険性があるからです。 

また、端末に保存されている機密データがマルウェアによって不正に取得される危険性もあるため、各ユーザーの端末ごとにしっかりとセキュリティ対策をおこなうことが重要です。

セキュリティリスク3:無料VPN・Wi-Fiの危険性

インターネットVPNはオープンネットワークを活用しているため、どこからでも手軽にアクセス可能で、コストが低い点が魅力です。無料で使える場合が多いものの、通信内容が暗号化されていなかったり、ログが保存されるリスクがあるため、慎重な使用が求められます。

公共の場所で提供される無料Wi-Fiは、個人情報の漏えいや通信データの流出リスクを伴います。これらのリスクは、カフェ、ホテル、駅などで特に顕著です。 また、安価なVPNサービスでは、ピーク時に通信速度が落ちたり、接続が不安定になる場合があります。

安全で快適なオンライン環境を望む場合は、無料のVPNや公共Wi-Fiの利用を控えるのが賢明です。 

セキュリティリスク4:VPN機器の脆弱性による危険

2019年、2020年に複数のVPN機器に脆弱性が報告され、それを悪用されたことによるサイバー攻撃が発生しました。この問題は、メーカーがリリースしたアップデートで解決可能でしたが、導入企業がアップデートを遅らせ、脆弱性を放置したためにサイバー攻撃を受けたことが原因です。

このような危険に対する対策として、導入したVPN機器に脆弱性が報告されているかどうかの定期的な確認が重要です。JPCERT/CCや信頼性の高い機関またはベンダーから提供されます。

使用しているVPN機器に脆弱性の報告があった場合、直ちにアップデートを実行するとともに、過去にサイバー攻撃の痕跡がないか調査することも安全に利用する上で必要です。

VPNのセキュリティ事故事例

働き方改革や新型コロナウイルスの影響で、リモートワークが一般的になりつつあります。その一方で、社外でのデータ交換に伴い、情報漏えいや不正アクセスのリスクが増加しています。

これらのリスクを防ぐために、日本国内で発生したVPNのセキュリティの事故事例を確認しておきましょう。 

アメリカ製VPN機器への攻撃

2020年8月には、日本国内外で活動する900以上の企業が使用していたアメリカ製のVPN機器による大規模な情報漏えい事件が発生しました。この機器は既に2019年4月にセキュリティの脆弱性が発覚しており、製造メーカーからはセキュリティ強化のためのパッチが配布されていました。

しかし、アップデートを怠った企業が多数存在し、古いバージョンの機器を使用し続けた結果、重大な情報漏えいへと繋がったのです。 

大手ゲーム会社のVPNへの攻撃

2020年、大手ゲーム会社でVPN経由による不正アクセスで、約1万6千人もの個人情報が漏えいしました。不正アクセスの原因は、海外の支店であることと、旧型のVPN機器の臨時利用であったことの2つの要素が絡んでいました。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴いテレワークを推進した際、ネットワーク負荷が増加したため緊急で旧型のVPN装置を設置したところ、攻撃者に狙われてしまったのです。

攻撃者は北米に設置されたVPN装置経由で同社の社内ネットワークに不正侵入し、アメリカや日本のサーバーから顧客、株主の情報を搾取しました。この事件は、VPNに関するセキュリティ対策の重要性を改めて浮き彫りにし、広く注目されることとなりました。

大手電機メーカーのVPNへの攻撃

2019年、国内のある大手電機メーカーが、VPNを通じて大規模なサイバー攻撃の被害を受けました。攻撃者は中国拠点にあるVPN装置のセキュリティ上の弱点を突いて内部ネットワークに侵入しました。 

この攻撃は、中国のオフィスで広がったコンピューターウイルスが始まりで、そのウイルスは日本の本社にも迅速に広がっています。結果として、遠隔からハッカーに操られたウイルスによって、多くの社内PCやサーバーが不正にアクセスされました。

この事件では、国内外合わせて132台の端末がウイルス感染の疑いが持たれ、その中には防衛関連の重要情報を含む端末もあったため、問題の重大性が一層際立っていました。 

オンラインゲーム会社のVPNへの攻撃

2018年に、ある日本のゲーム会社の子会社がVPNを介した不正アクセスの被害に遭いました。この攻撃によって、13のオンラインゲームタイトルが一時的にサービスを停止せざるを得なくなり、企業は重大な損害を受けました。

幸い、ゲームユーザーの個人情報が漏れた証拠は見つかりませんでしたが、事件は企業にとって大きな打撃となっています。

原因は、ビジネスチャットで使用していたツールのログから、VPNのログイン情報が収集されて悪用されたことにあります。 

VPNのセキュリティ対策

VPN導入に伴うセキュリティリスクを回避するためには、どのような対策が必要なのでしょうか。 ここからは具体的な対策について解説します。

運用管理・保守の厳正化

企業がVPNを導入する際は、単にシステムを構築するだけでなく、その後の運用管理も重要です。特に、テレワークやコワーキングスペースでの業務が増えている昨今、社外での安全なネットワーク利用を徹底する必要があります。

そのためには、社用端末の持ち出しに関するルールを明確化し、端末に不要な情報を保存しない、デバイスやデータを暗号化する、強固なパスワードを設定する、セキュリティソフトを導入するといった対策が不可欠です。

さらに、サーバーや通信機器、ソフトウェアは常に最新の状態に保ち、定期的なアップデートをおこなうことで、システムの安定性を確保し、脆弱性を解消するのが重要です。

また、VPN導入前に、文書のペーパーレス化や電子管理を進めておくことで、情報管理の効率化とセキュリティ強化を同時に実現できます。

これらの対策を総合的におこなうと、VPNのメリットを最大限に活かし、安全かつ効率的なビジネス環境の構築が可能です。

自社に適するVPNの選択

VPNサービスは、インターネット回線を利用した安価なものから、セキュリティ性の高い閉域網を利用したものまで、多種多様な選択肢があります。そのため、自社のニーズに合ったサービスを選ぶのが重要です。

信頼できるサービス提供者を選ぶことは、導入後のトラブルを未然に防ぐ上で重要です。いくらセキュリティ対策が万全でも、トラブル対応が遅れたり不十分であれば、業務に支障をきたす可能性があります。契約前にサポート体制をしっかりと確認しましょう。

また、安価なVPNサービスの中には、通信速度が遅く、業務効率を低下させるものもあります。通信サービスには、速度が変動するベストエフォート型と、一定の速度を保証する帯域保証型があります。特にベストエフォート型は、価格と品質が比例する傾向があるため、注意が必要です。

VPNサービスを選ぶ際は、価格だけでなく、自社の規模やVPNの利用目的、サポート体制、通信速度などを総合的に評価し、最適なサービスの選択が重要です。

従業員へのサイバーセキュリティ教育

VPNのトラブルは、機器やシステムの不具合だけでなく、利用者自身のセキュリティ意識の低さによって引き起こされる場合もあります。

例えば、無料VPNの中には通信内容が暗号化されていないものもあり、セキュリティリスクが高い場合があります。また、デバイスのセキュリティソフトを定期的に更新しないのも、脆弱性を放置することになりかねません。

これらの問題は、機器の欠陥というよりも、利用者自身の意識や行動によって防げるものです。

テレワークやサテライトオフィスなど、場所を選ばずに働ける便利な環境は、同時に企業の機密情報が漏えいするリスクも高めます。そのため、従業員一人ひとりがセキュリティ対策の重要性を認識し、適切な行動が求められます。

企業は、社内教育などを通じて、VPNの仕組みやセキュリティリスクについて従業員に周知徹底し、意識向上を図るのが重要です。

会社の端末による公共Wi-Fiの禁止

企業は、セキュリティポリシーとして、従業員が公共Wi-Fiのような信頼性の低いネットワークへの接続を避けるよう徹底が必要です。

たとえVPNを利用していても、公共Wi-Fiでは通信内容が盗聴されたり、データが改ざんされるリスクが常に存在します。また、悪意のある第三者が偽のWi-Fiアクセスポイントを設置し、接続した端末にマルウェアを感染させたり、個人情報を盗み取るといった被害も報告されています。

公共Wi-Fiのセキュリティは一般的に脆弱であるため、企業はVPN利用に関するガイドラインにおいて「公共Wi-Fiの利用禁止」を明記するのが望ましいでしょう。

安全なネットワーク環境を確保するためには、自宅や職場のWi-Fi、あるいは外出先ではモバイルルーターやスマートフォンのテザリング機能利用が推奨されます。

端末へのセキュリティソフト導入

VPNはネットワークの安全性を高める上で有効ですが、それだけでは万全ではありません。利用するパソコンやタブレットなどの端末自体がウイルスやマルウェアに感染すれば、情報漏えいのリスクは依然として残ります。

そのため、VPNと併せて、端末のセキュリティ対策も徹底することが重要です。セキュリティソフトの導入は基本的な対策ですが、それだけでは十分とは言えません。セキュリティソフトを常に最新の状態に保ち、定期的にアップデートをおこなえば、最新の脅威に対応し、保護機能を最大限に発揮させられます。

VPNと端末のセキュリティ対策を組み合わせると、多層的な防御体制を構築し、情報漏えいのリスクを大幅に低減可能です。

常にアップデートや最新パッチを適用

VPNのアップデートやパッチを最新に適用することは定期的におこなうことが重要です。パッチ適用やアップデートを実施すると、VPNに存在するセキュリティの脆弱性を修正し、通信の傍受や不正アクセスを防ぐリスクを低減できます。

VPNの開発元が提供している情報をよく確認し、常に最新の状態を維持するよう心がけましょう。

認証システムの強化

VPNルーターへの接続時には、二要素認証の導入がおすすめです。理由として、ルーターの脆弱性を狙った攻撃が発生する可能性があるためです。

二要素認証とは、IDとパスワードに加えて、生体認証やPINなどを組み合わせる認証方法で、万が一IDやパスワードが漏えいした場合でも、不正アクセスを防げます。

ルーターが攻撃されて認証情報が漏えいしてしまうと、構築したVPN内に悪意のある第三者が容易にアクセスできてしまいます。脆弱性を狙われた際にも情報漏えいを防ぐため、認証システムを多層化することが重要です。

VPNのセキュリティまとめ

VPNはインターネット上での安全な通信を可能にする重要な技術ですが、最近になってVPNを狙ったサイバー攻撃が増えています。そのため、しっかりとしたセキュリティ対策を施すことが急務です。

VPN技術はデータのトンネリング、カプセル化、そして暗号化という三つのプロセスにより、通信内容を保護します。これはリモートワークや遠隔地間のデータ交換、公共Wi-Fi環境での利用時に特に重要です。

しかしながら、VPNを介した通信でも脅威は存在し、機器のセキュリティ弱点をついた攻撃や、データの漏洩、マルウェアの拡散などがあります。

企業や組織におけるVPNのセキュリティ強化策には、定期的なシステムアップデートやパッチの適用、強固な認証システムとパスワードポリシーの設定、公共Wi-Fiの使用禁止などが挙げられます。

また、ネットワークの監視を強化し、不正アクセスや脅威を早期に検出するネットワーク検知・対応システム(NDR)の導入も有効で、VPNを通じて侵入する脅威にも迅速に対応可能です。

これらの対策を通じて、VPNの安全性を維持し、攻撃者による損害を防ぐことが重要となります。 

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