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なぜプロジェクトは失敗するのか?原因や予兆と解決策について解説!

プロジェクトを失敗させないようにするには、顧客やチームメンバーとのコミュニケーションをとり、進捗管理を適切に行うことが重要です。本記事ではプロジェクトが失敗する原因や予兆、プロジェクトを失敗させないための解決策について解説します。

目次

  1. プロジェクトの失敗とは
  2. なぜプロジェクトは失敗するのか?その原因&予兆
  3. プロジェクトを失敗しない解決策
  4. プロジェクト失敗のまとめ

プロジェクトの失敗とは

「プロジェクトの失敗」とは、以下の状況に陥ることです。

  • 期日までに作業が完了しないこと
  • 設定した基準の成果物が得られないこと
  • 予算を超えてしまうこと

上記に当てはまる場合は、概ねプロジェクトの失敗といえます。ただし、プロジェクトが失敗する理由はさまざまです。プロジェクトを進行させる過程で、他のプロジェクトに活かせる結果を得られる場合もあるので、一概に「失敗」と定義することは難しいといえるでしょう。

本記事では、上記の中でも期日までに作業が完了しない場合に焦点をあて、その原因を紹介し、対応策を提示します。

なぜプロジェクトは失敗するのか?その原因&予兆

本項目では、プロジェクトが失敗する原因を紹介します。原因や失敗する予兆を理解しておくことで、軌道修正すべきポイントを判断してください。

原因&予兆1:コミュニケーションが不十分

コミュニケーションが円滑でない場合、プロジェクトは失敗する傾向にあります。プロジェクトは計画書にはないトラブルの発生がつきものです。たとえば、スキル不足で進捗通りに進んでいない場合や、細かい疑問点でもスケジュールを進めるうえで無視できないものがあるなどが考えられます。

管理者への報告や判断できる人間への相談が必要であるにもかかわらず、コミュニケーションが取れない場合、スケジュールに影響するため思うような成果物を得られません。

原因&予兆2:情報共有の不備

コミュニケーションが不十分な場合、情報共有の不備が発生し、プロジェクトが失敗しやすくなります。たとえば、ITの現場でシステムを構築するプロジェクトの場合、仕様変更があっても、その情報が共有されていないまま進行すると手戻りが発生することがあります。手戻りがあると、プロジェクトが大幅に遅延する原因になります。

原因&予兆3:進捗状況の管理不備

プロジェクトが失敗する原因の一つに、管理者が進捗状況を管理できていないことも挙げられます。管理不備に陥る原因は、必要な管理ツールを導入できていないことやメンバーとのコミュニケーション不足です。

担当者に預けている作業が予定通りに終わるのか、作業が止まるような問題を抱えていないかを管理者は把握し、スケジュールを調整しなければなりません。

原因&予兆4:スケジュールやタスクの見積もり不備

無理なスケジュールを課したり、タスクを見積間違ったりしている場合は、プロジェクトは失敗する傾向があります。たとえば、ITの現場などで本来7人日かかるタスクを3人日で見積もっている場合は、予定しているスケジュールに無理があり、遅延を回避できません。

過去のナレッジ・ノウハウを見直したり、経験者にスケジュールやタスクの見積もりが妥当であるか判断してもらうとよいでしょう。

原因&予兆5:スコープクリープ

スコープクリープが発生しているにもかかわらず、調整ができていない場合は、プロジェクトが失敗しやすくなります。スコープクリープとは、プロジェクトの要件が当初よりも増加することです。

要件の追加については、追加された分の予算や工数を組みなおすか、あらかじめ考慮に入れておく必要があります。しかし、細かい部分の追加が多すぎる場合は、スケジュールや予算が当初の予定のものと合わなくなり、プロジェクトが失敗します。

原因&予兆6:透明性が不十分

プロジェクトにかかわるチームに必要な資料を公開していないと、プロジェクトは失敗します。必要な資料とは、スケジュールやタスクで出力する成果物が記載されているものなどの計画に関わるものです。

プロジェクトに透明性を持たせるには、全員がどのようなスケジュールで進めていくのか、変更はあったのかを共有できるようにしておく必要があります

原因&予兆7:ナレッジ・ノウハウの未活用

いままでのプロジェクトで培ったナレッジやノウハウを、うまく活用できていない場合は、プロジェクトの失敗を招く可能性があります。過去のプロジェクトの成功体験や失敗から経験したことを活用すると、今回のプロジェクトで同じ問題が出たときの早期解決に有効です。

過去の類似しているプロジェクトの総括を見直しておくと、問題が起きたときの早期解決に繋がります

原因&予兆8:納期優先のスケジュール

フェーズやタスクに対して十分な工数を確保せず、納期のみを優先させた無理なスケジュールは、プロジェクトを失敗に招きかねません。管理者は顧客からの提示をそのままスケジュールに反映させるのではなく、必要な工数を算出してスケジュールを提示して、適正な内容に調整する必要があります。

原因&予兆9:1人当たりの重作業負荷

1人当たりの作業不可が重いと、プロジェクトが失敗しやすくなります。たとえば、マルチタスクの状況に陥ったメンバーがいる場合は、ひとつひとつのタスクの質が低下し、思うような成果物を得られません。また、マルチタスクによって重要なタスクに手をつけられず、スケジュールが遅延することも考えられます

進捗会議や朝礼などで状況を把握し、タスクを抱えすぎていないか、他の作業者をアサインできないかを検討しましょう。

原因&予兆10:プロジェクトのメンバーの能力不足

プロジェクトのメンバーの能力を正しく見積り、タスクを割り当てられなかった場合もプロジェクトが失敗しやすいため、注意が必要です。たとえば、能力や経験値の必要なタスクがある場合、未経験で勉強中の新入社員1人で処理する場合はスケジュールに余裕を持つ、他に経験者を割り当てるなどの対応をしましょう。

原因&予兆11:メンバーの低モチベーション

チームメンバーのモチベーションが低い場合、思うようなスケジュール進行や成果物が得られず、プロジェクトが失敗する可能性があります。プロジェクトのチームメンバーが多くなるほど、メンバーのモチベーションに個体差が出るため、個々のモチベーションにc注意が必要です。

モチベーションが低下する原因としては、マルチタスクや無茶なスケジュールでのタスクが割り当てられていることなどが挙げられます。

原因&予兆12:目標が非現実的

あまりにも現実のスキルレベルと合わない目標を設定した場合、プロジェクトは失敗します。達成できるイメージができないプロジェクトは、メンバーのモチベーションを低下させ、期日までのタスク完了をしにくくなります。目標を設定するときは、利用できるリソースを把握して、達成できるかを検証しましょう

原因&予兆13:目標・仕様・要件が不明瞭

要件定義ができていないとプロジェクトは失敗します。要件定義で話し合われる内容は、そのプロジェクトの成果物を決定するものであるため、明確な要望をヒアリングしなければプロジェクトを進められません

要件を把握するには、顧客が要望を整理していることと、その内容を把握する担当者のヒアリングスキルが必要です。

原因&予兆14:リソースが限定的

利用できるリソースが限定されている場合は、プロジェクトが失敗する傾向があります。リソースとはヒト・モノ・カネのことであり、特にプロジェクトを成功させるために必要なスキルを持った人員をアサインすることが重要です。割り当てたタスクに対して、達成できる人員がいない場合は、プロジェクトの失敗は免れません。

プロジェクトを失敗しない解決策

プロジェクトを失敗させないようにするために、どのような対策を取ればよいかを本項目で紹介します。

解決策1:計画に基づいたリソース配分

プロジェクトを失敗させないようにするためには、計画に合ったリソースを配分しましょう。必要な予算や期間、どのような人材が必要であるかを洗い出し、調整しなければなりません。リソース配分する段階で、プロジェクトの透明性を高めておく必要があります。計画書をもとにメンバーと情報共有しておくことも重要です。

解決策2:コミュニケーションによる情報共有

必要なコミュニケーションをとり、情報共有しましょう。コミュニケーションが不十分であることは、プロジェクトが失敗する原因のひとつです。進捗状況の報告や問題点の共有はもちろん、人間関係がよりよくなればチームのモチベーションを高めることも期待できます。

解決策3:十分な要件定義と計画書の作成

十分な要件定義はプロジェクトの失敗を防ぎます。要件定義での決定事項は提出すべき成果物に直結するため、「5W2H」を意識したヒアリングをすることが重要です。計画書を作成することで、チームメンバーが目標を把握して作業を実施できます。変更点がある場合も計画書があることで、どのような変更があったのかを把握できるため、共有しておきましょう。

解決策4:進捗状況の可視化

進捗状況を常に可視化しておきましょう。WBS(作業分解図)などや課題管理表を用いて、どの作業がどのようなステータスであるか閲覧できる状況にしておくと、把握しやすくなります。課題管理表を利用すると、現在の問題点の共有ができるメリットがありますが、課題とスコープクリープの区別をつけて管理しない場合、タスクが肥大するため注意しましょう。

解決策5:進捗・スケジュール管理の厳密化

プロジェクトを失敗させないようにするため、進捗やスケジュール管理を厳密化しましょう。タスクが終わったときに完了日の日付を書き入れるだけではなく、「着手中」「修正中」などのステータスを設定できると、管理者はタスクが完了する前の進捗が把握できます。

また、進捗会議の開催や朝礼を実施するなど、定期的に進捗を報告する仕組みを作るのもスケジュール管理するために有効です。

解決策6:プロジェクト管理ツールの導入

プロジェクトを失敗させないようにするためには、管理しやすいツールを導入することもひとつです。プロジェクト管理ツールがもつ機能は、主に以下のようなものがあります。

  • タスクに割り当てた日数・人員
  • 進捗状況の可視化
  • 情報共有

プロジェクト管理ツールを導入することで、エクセルやスプレッドシートでは難しい変更履歴の管理もできます。

解決策7:プロジェクト終了後の総括

プロジェクト終了後に、今回のプロジェクトの成功体験や失敗から学んだ解決方法などの総括をまとめましょう。総括は次のプロジェクトにナレッジやノウハウを残すために重要です。

品質・費用・納期についてはプロジェクトの成功・失敗を判断するための項目です。プロジェクトを開始する前に3つの項目について成功・失敗の指標を設定し、総括でクリアできたかを検証しましょう。

プロジェクト失敗のまとめ

プロジェクトを失敗させないようにするためには、進捗を管理し、必要な人員を確保する必要があります。特に重要なのは要件定義を含めてコミュニケーションを十分に取り、進捗管理を厳密に実施する点です。

また、一人当たりの作業量が膨大になっていた場合は、他のメンバーに作業を割り当てるなどの工夫も必要であるため、管理者は常に状況を把握しなければなりません。本記事の内容を実践し、プロジェクトを失敗させないよう管理しましょう。

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